雑草からのイネ苗立枯細菌病菌の分離と保菌コウヤワラビの分布

タイトル 雑草からのイネ苗立枯細菌病菌の分離と保菌コウヤワラビの分布
担当機関 山形県立農業試験場
研究期間 1990~1992
研究担当者
発行年度 1992
要約 水田畦畔、農道および排水路周辺に生息する雑草からイネ苗立枯細菌病の病原細菌を分離したところ、コウヤワラビなど4種からPseudomonas plantariiが分離された。コウヤワラビでは明らかな病徴を示し、また病原細菌を保菌したコウヤワラビの山形県内での分布は、本病の多発性地帯である最上町で確認された。
背景・ねらい イネ苗立枯細菌病の伝染環をあきらかにするため、水田ほ場周辺に生息する雑草の
中に本病の伝染源となりうるものが存在しないか検討した。
成果の内容・特徴
  1. 1991年7月に、最上郡最上町の苗立枯細菌病既発生農家水田周辺に生息している
    16科28属の雑草から細菌を分離したところ、コウヤワラビ、ヘビイチゴ、
    キツネノボタンおよびゲンノショウコからP.plantariiが分離された
    (表1)。
    また1992年に、山形県内各地の水田周辺からコウヤワラビの褐変葉239試料を採集して
    細菌を分離したところ、最上町で採集した77試料からP.plantariiが分離された
    (表2)。
    従って本病の多発生地帯である最上町においては、P.plantariiを保菌した
    コウヤワラビが広く分布していることが明かになった。
  2. 分離細菌を戻し接種した結果、コウヤワラビのみが発病した。症状は、有傷接種により
    接種部が、無傷接種により葉緑部が紫褐色~淡黒褐色を呈した。
成果の活用面・留意点 イネ以外にもP.plantarii保菌植物の存在が明かになったことは、今後の伝染環を
解明する研究に広く活用できる。なお。コウヤワラビ葉の褐変がすべてP.plantariiによるものではないので、分離にあたっては注意が必要である。
図表1 230252-1.gif
図表2 230252-2.gif
カテゴリ 病害虫 いちご キツネノボタン 雑草 水田 わらび

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