タイトル |
たばこ作における高架作業車・幹刈機の経済性 |
担当機関 |
岩手県立農業試験場 |
研究期間 |
1988~1992 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1992 |
要約 |
高架作業車・幹刈機を使用した省力作業体系により、たばこ作作業の労働ピークとなる7・8月の作業の省力化を図れる。このことから、たばこ作栽培の規模拡大が可能となり、所得の増大を図ることができる。
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背景・ねらい |
主として東北地方で広範に栽培されているバーレー種の労働ピークは、7・8月の 心止め・収穫・乾燥作業の時期に形成される。このため、たばこ作作業の省力化を 図るには、この時期の作業方法の改善が必要である。しかし、バーレー種の特性をして 収穫した葉は、自然乾燥を要するため、乾燥作業での改善は今のところ望めず、当面、 心止め・収穫での改善が望まれている。そこで、現地実証試験を基に、これらの作業に おいて省力化が可能な機械化技術として高架作業車を幹刈機をとりあげて、その 省力効果や経済性を明らかにした。
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成果の内容・特徴 |
- 高架作業車と幹刈機の適用作業
高架作業車は、防除・心止め・腋芽とり・中葉収穫、幹刈機は、幹刈収穫の 各作業に適用できる。
- 高架作業車を幹刈機の省力効果
(表1) 高架作業車・幹刈機を導入することにより、たばこ作業の労働ピークとなる 7・8月の作業において省力化を図ることができ、慣行体系い比べこの時期の 10a当り労働時間を20~30%軽減できる。
- 高架作業車・幹刈機(省力体系)の経済性
(表2) 整数計画法を用いて家族労働2人・個別所有のケースについて経済性を検討した。
- 雇用無しの場合、慣行体系では92aまでしか規模拡大できないが、省力体系では
114aまで可能となり、機械償却費を考慮した場合97a以上の規模で 経済的に有利になる。
- 雇用労働が1人ないし2人の場合は、慣行体系では、作付上限面積が各々129a・
165aであるのに対し、省力体系では、154a・199aまで拡大できる。 なお、省力体系の有利性は、各々115a・155aで生じる。
- これらの結果から省力体系は、規模拡大を志向する経営にとって有利性を持つ。
また、雇用労働力の確保の困難な場合には、たばこ作の作付規模を維持して所得を 確保することができる。
- 活用面
各機械は、作業強度の軽減効果も期待でき、その点を加味すれば省力体系の有利性は、 さらに高まると考えられる。
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成果の活用面・留意点 |
- 活用面
各機械は、作業強度の軽減効果も期待でき、その点を加味すれば省力体系の有利性は、 さらに高まると考えられる。
- 留意点
- 機械の作業能率は、傾斜5~6度で劣るが、その検討は行っていない。
- 区画面積により作業能率は、変わるものと思われるが、その検討は行っていない。
- 共同利用も考えられるが、その検討は行っていない。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
病害虫
乾燥
機械化
規模拡大
経営管理
省力化
省力作業体系
たばこ
防除
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