岩手県北部沿岸地域における夏秋蚕主体の複合養蚕経営

タイトル 岩手県北部沿岸地域における夏秋蚕主体の複合養蚕経営
担当機関 岩手県蚕業試験場一戸分場
研究期間 1991~1992
研究担当者 阿部末男
伊藤眞二
菊地次男
土佐明夫
発行年度 1992
要約 岩手県北部沿岸地帯の「やませ」や晩霜害等のため春蚕が不安定な地域において、夏秋蚕主体の養蚕経営により繭の安定生産を図るとともに養蚕空閑期の労力・施設を活用して雨よけ「ほうれんそう」等の野菜を導入した複合養蚕経営実証事例。
背景・ねらい 岩手県北部沿岸地域は、「やませ」や晩霜害等の気象災害に遭遇する頻度が高く、
また、桑の生育も遅れがちで生産性が低い現状にある。
このため、不安定な春蚕を中止して夏秋蚕主体の養蚕経営により繭の安定生産を図る
とともに養蚕期以外の労力・施設を活用して雨よけ「ほうれんそう」等の野菜栽培を導入した複合養蚕経営を確立する。
成果の内容・特徴 (1) 夏秋蚕主体の桑栽培・収穫法
  1. 桑園は、密植桑園割合を50%前後に拡大し、普通桑園と密植桑園をそれぞれ3等分し、
    春切法及び株上・株下輪収法を組み合わせた夏秋蚕専用桑園とし年5回飼育に対応する
    (表1、表2)。
  2. 密植桑園は機会収穫とし初秋I、初秋II及び晩秋期の収穫は2畦隔収穫とする。
  3. 桑の発芽剪定は、春期の労力集中を避けるため11月下旬以降の秋冬期に行う。
(2) パイプハウスの周年利用法
  1. パイプハウスをダイオートやシルバーシート等で防暑及び保温対策を講じ補助飼育施設
    として、技術改善に伴う飼育量の増加分に利用する。
  2. 養蚕飼育期間以外には、蚕期前(3月中旬~6月)に「ほうれんそう」を2回、蚕期終了後
    (10月中旬以降)には「ほうれんそう」または「さんとうな」を1回栽培する。
成果の活用面・留意点
  1. 導入対象地域は、「やませ」や晩霜被害のため春蚕が不安定な地域で、蚕期前後の
    パイプハウス利用の野菜栽培、無加温栽培が可能な地域とする。
  2. 新・改植により植栽する桑品種は、栽培適応地域区分により「しんけんもち」
    「あおばねずみ」を栽培する。
  3. 蚕期前後のパイプハウス利用の野菜栽培は、地域における推進品目とする。
図表1 230372-1.gif
図表2 230372-2.gif
カテゴリ カイコ 改植 経営管理 品種 ほうれんそう 野菜栽培

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