タイトル |
水稲の早生、良質新品種「秋田51号」 |
担当機関 |
秋田県農業試験場 |
研究期間 |
1982~1993 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1993 |
要約 |
水稲新品種「秋田51号」は、早生、短稈、強稈、良質の粳種である。秋田県におけるバランスの取れた品種構成による冷害の危険分散を図るため、平成6年度から奨励品種に採用。
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背景・ねらい |
秋田県では水稲品種を(1)制度別(政府米、自主流通米、他用途米)、用途別(主食用、 加工用)の需要動向および(2)冷害からの危険分散、作業労働競合の回避等を考慮した、 早・中・晩熟期別のバランスの取れた作付品種構成に誘導するため、地域別水稲作付 品種ガイドラインを策定して指導を進めている中で、「あきたこまち」、「あきた39」 の適地外作付解消に資する早生・安定多収品種が求められている。
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成果の内容・特徴 |
- 秋田51号は、「たかねみのり」熟期の良質、多収品種を目標に昭和57年に「庄内32号」
(後の「はなの舞」)を母、「奥羽302号」を父とする組み合わせから育成された品種で、 平成6年でF13になる。
- 出穂期、成熟期はほぼ「たかねみのり」並の早生の早に属する粳種で、いもち病耐病性
および耐冷性が中、穂発芽性はやや難、短稈、強稈の穂数型品種である。
- 収量性は「たかねみのり」に比べて安定して多収であり、特に多肥条件で収量の向上が
大きい。外観品質は良好で、食味は「キヨニシキ」「たかねみのり」より優れている。
- 秋田県の県北地域では概ね150~170m程度までの平坦地、県中央以南では標高200~250m
程度までの平坦地および中山間地が適応地域で、約6000ヘクタールの作付が期待 出来る。
特性一覧表
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成果の活用面・留意点 |
- 障害型耐冷性は「たかねみのり」より弱い。
- 倒伏抵抗性が強いことから、基肥は「たかねみのり」より多く、「キヨニシキ」並か
それよりもやや多い程度とする。
- 追肥は生育栄養診断に基づき判断するが、幼穂形成期追肥をした方が、有効茎歩合を
向上させ多収になる。減数分裂期追肥は基本的に実施する。
- 安定多収を得るためには、出穂期から成熟期にかけての稲体の健全性(根の活性化・
乾物重の増加)の維持が重要なので、水管理、防除等に留意する。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
いもち病
栄養診断
加工
新品種
水稲
中山間地域
抵抗性
凍害
品種
防除
水管理
良食味
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