納豆用大豆「コスズ」の収益性安定に向けた栽培法

タイトル 納豆用大豆「コスズ」の収益性安定に向けた栽培法
担当機関 岩手県立農業試験場
研究期間 1993~1994
研究担当者
発行年度 1993
要約 納豆用大豆「コスズ」の収益性安定のためには、晩播で極小粒歩合を高めるより、標播による安定多収に重点をおく必要がある。気象・立地条件の異なる岩手県内の地帯別収量目標を設定し、そのための好適栽培法と期待生育相を明らかにした。
背景・ねらい 「コスズ」は納豆用品種としての市場の評価が高いが、岩手県では最も晩生品種で
霜害を受けやすいことなどから、栽培地帯や年次により収量や粒大が不安定と
いわれてきた。
従来、本品種では極小粒歩合を高めて単価を向上させるため、晩播・密植栽培が
勧められてきた。しかし、収益性を考える上で重要な面積あたりの粗収入には、
極小粒歩合だけでなく収量が大きく関係する。そこで、地帯や栽培法による収量と
粒大の変動を把握し、収益性安定のために好適な栽培法を組み立てた。
成果の内容・特徴
  1. 「コスズ」の粗収入と極小粒歩合、収量の関係を調べると、粗収入は収量と高い
    相関がある(図1)。また、収量と粒大について、
    晩播栽培の特徴を標準播種期での栽培(以下標播と略)との比較でみると、平常年
    (例:1992年)には極小粒歩合は高いが収量はやや低く、遅延型冷害の発生年(同1993年)
    には未熟粒が多い。また、多収年(同1991年)にも標播より収量が劣る
    (図2)。よって、晩播栽培で極小粒歩合の向上を
    ねらうより、標播で多収を得るほうが粗収入を高めることになる。
  2. 岩手県内では気象・立地条件等の違いにより、県北中部は県南部と比べて「コスズ」
    の粒は小さいが収量は低く年次変動も大きい
    (表1)。そこで、従来の県内一律の収量目標を
    見直し、新たに設定したのが地帯別目標収量である。そして、目標収量を確保する
    ための栽培法として、播種適期は地帯別に大豆の播種適期内の早播とし、栽植密度は
    県北中部で15,000本/10a前後、県南部で12,000本/10a前後とするのが適当である。
    本栽培法により期待される生育相および粒大も地帯別に異なる
    (表2)。
成果の活用面・留意点 施肥量や培土等の栽培管理は従来からの栽培法にしたがう。
図表1 230395-1.gif
図表2 230395-2.gif
図表3 230395-3.gif
図表4 230395-4.gif
カテゴリ 栽培技術 施肥 大豆 凍害 播種 品種

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