タイトル |
液肥灌注による水稲箱育苗の省力施肥法 |
担当機関 |
青森県農業試験場 |
研究期間 |
1992~1993 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1993 |
要約 |
液肥・薬剤同時潅注による育苗によって施肥の省力化が図られた。なお、試作した液肥用肥料は実用性が高い。
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背景・ねらい |
水稲の箱育苗の施肥は、床土に粉状肥料をミキサー等で混和する方法が一般的で あるが、育苗の播種作業体系に占める労力的割合が大きい。 そこで、箱育苗での施肥及び薬剤施用の省力化を図るため、液肥・薬剤同時潅注に よる育苗法を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 潅注法による肥料の散布ムラは、高濃度の液肥を少量で潅注(0.1リットル/箱)する方式
では慣行に比較して大きかったが、低濃度の液肥を潅水を兼ねて潅注(1リットル/箱) する方式では慣行以上に肥料の散布が均一であった (表1)。
- 高濃度の液肥を少量で潅注(0.1リットル/箱)する方式では慣行に比較してやや苗揃いが
劣るものの、実用上問題はなく、低濃度の液肥を潅水を兼ねて潅注(1リットル/箱)する 方式では、慣行以上に苗揃いが良好であった (表1)。
- 野菜用等のpHが高い液肥(市販品)では潅注後の床土のpHを極端に上昇させるため
育苗上問題があった。そのため、箱育苗用の肥料を試作したところ、潅注後の床土の pH、ECは、全育苗期間を通じて慣行とほぼ同様に推移した (表2)。 水稲箱育苗用に試作した液肥用肥料
 - 試作した液肥の施肥量(成分)は慣行と同量でよく、多少潅注量がふれても苗質への
影響はほとんど認められなかった(表2)。
- 潅注時に試作した液肥と薬剤を混用しても、薬剤の防除効果、薬害等の問題はなかった
(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
水稲箱育苗の施肥の省力化が図られる。 高濃度の液肥を調整する場合、水では肥料が溶解しにくいので、温湯で溶かす。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
育苗
省力化
水稲
施肥
播種
防除
薬剤
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