タイトル |
地点情報を利用した土壌診断システム |
担当機関 |
岩手県立農業試験場 |
研究期間 |
1987~1991 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1993 |
要約 |
土壌pHの維持とリン酸改良を主体とした処方箋サブシステムと、その土壌診断データに経緯度情報を付加し、パソコンのディスプレイ上に地図画像として表示する地点情報サブシステムの2つの機能を併せ持った土壌診断システムを開発した。
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背景・ねらい |
普及所等で実施されている土壌診断の点数は年間1万点程度となっており、毎年膨大な 土壌情報が蓄積されている。そこで、養分分布や年次変化等を容易に把握することが 可能で、かつ土壌診断データの体系的な活用ができるシステム開発をねらいとした。
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成果の内容・特徴 |
- 本システムは土壌養分の診断を行う「処方箋サブシステム」と、診断結果を地図画面
上に地点あるいはメッシュとして各項目毎に階級表示する「地点情報サブシステム」 の2つのサブシステムからなる(図1)。
- 処方箋サブシステムによって作成された診断データに経緯度情報を付加(地点情報)し、
プロットあるいは1km~100mのメッシュとして地図画像上に表示できる。ディスプレイ 表示は各項目毎に階級を設定することが可能で、地域毎の養分分布や年次変化を 視覚的に把握することが出来る。
- 本システムでは以下の2通りの診断方法を選択することができ、その場合の分析項目は
次の通りである(図2)。 ア 総合診断:塩基飽和度、塩基バランスの維持を基本とした診断方法 pH、塩基交換容量(CEC)*1、可給態リン酸(トルオーグ法)、 リン酸吸収係数、交換性石灰、交換性苦土、交換性加里、電気伝導度(EC) *1,*2、硝酸態窒素*1,*2 イ 個別診断:水田土壌のみで、リン酸とケイ酸についての診断方法 pH、可給態リン酸(トルオーグ法)、リン酸吸収係数、診断ケイ酸*1,*3 *1:必須項目ではない(CECについては推定可能)、*2:水田土壌では不用、*3:0.1N-酢酸・ 酢酸Na(pH4.0)緩衝液抽出法
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成果の活用面・留意点 |
- 本システムは農水省の事業により各県の協力を得ながら日本土壌協会によって開発
されたシステムである。
- 作物毎の基準値については県内の現行のものに準じ表1の通りとするが、逐次改定を
行って行く(表1)。
- 地図画像は2.5万分の1の地形図が基本となるが、その他の縮尺の地形図も地図画像
として作成することができる。なお、ディスプレイへ表示されるものはもとの地形図 を4x4に分割した1枚が表示される。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
水田
土壌診断
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