タイトル |
エンバクAvena Strigosaのキタネグサレセンチュウ密度低減効果と利用技術 |
担当機関 |
岩手県立農業試験場 |
研究期間 |
1993~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1993 |
要約 |
エンバクAvena strigosaの栽培は、キタネグサレセンチュウ密度を5~25頭/生土30g程度にする密度低減効果がある。エンバクAvena strigosaは低温発芽性や初期生育に優れ、作業性もよく、圃場の線虫密度を低く維持する輪作作物として効率的に導入できる。
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背景・ねらい |
ダイコンを加害するキタネグサレセンチュウの密度低減に関して、 エンバクAvena strigosa(商品名:ヘイオーツ)の有用性が見いだされ、 実用上の利点が評価されている(北海道)。この密度低減効果について、 従来から効果の認められているマリーゴ-ルドやギニアグラスと比較検討し、 本県における栽培法及び導入条件を明らかする。
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成果の内容・特徴 |
- エンバクAvena strigosaは、2~3ケ月の栽培によって
ネグサレセンチュウ密度を5~25頭/生土30g程度まで低下させ、 その効異はマリーゴールドとギニアグラスの中間程度である。しかし、 低温発芽性や初期生育に優れるため雑草害等を受けにくく、 安定した効果がある( 図1、 表1、 表2)。
- 播種作業は、5月上旬~8月下句に、10a当たり8~15kgの種子を、
散播しロータリ・ディスクハロー等で軽く覆土・鎮圧して行う。 播種からすき込みまで2~ 3ケ月の短期間に草丈100cm以上、 地上部乾物重0.5t/10a以上の生育量を確保でき、 ダイコンの前後作として導入できる (表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 輪作体系の一環に予防的に導入することによって、
圃場のネグサレセンチュウ密度を低く維持する。 残効はほとんどないため、 だいこん等線虫被害の生じやすい根菜類の前作として計画的に活用する。
- ネグサレセンチュウを完全に防除するわけではないので、
エンバクAvena strigosa作付前の密度が極めて高い場合 (100頭/生土30g以上)には、ダイコン作付前に線虫密度を確認し、 薬剤施用を検討する必要がある(平成2年度東北地域新しい技術(132)参照)。
- すき込み後は、後作まで20日以上の腐熟期間を見込む。
- 乾物重1t/10a以上の多収条件や出穂期以降のすき込みの場合は、
窒素肥料の施用 (成分量2kg/10a程度)を検討する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
雑草
だいこん
播種
防除
マリーゴールド
薬剤
輪作
輪作体系
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