Rhizoctonia solaniの新しい菌糸融合群サブグループAG2-3の分類特性

タイトル Rhizoctonia solaniの新しい菌糸融合群サブグループAG2-3の分類特性
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1993~1993
研究担当者
発行年度 1993
要約 ダイズ葉腐病のRhizoctonia solani担子胞子感染病斑からの菌系は、AG2-1との菌糸融合頻度が高くかつチアミン要求性であり、AG2内の新サブグループにあたる。これをAG2-3とした。本菌系は低湿性で、豆類に対する病原性が強い。
背景・ねらい 北東北では、水田転換畑におけるコムギ-ダイズ2年3作体系の確立が強く求められ、
乗用田植機を利用したコムギ・ダイズの立毛間播種技術が開発された
(成果情報、1992)。間作・単作ダイズに既往の症状と異なる葉腐病が発生し、
原困はR.solani(完全時代Than atephorus cucumeris)
担子胞子感染によるとわかった(内藤ら、1992)。
その菌系と数種作物に対する病原性の究明により、
各種作物の被害防止のための技術開発に役立てる。
成果の内容・特徴
  1. ダイズ葉腐病のR.solani担子胞子感染病斑からの分離菌は、
    AG2‐1との菌糸融合頻度が高くかつチアミン要求性である。現在、
    AG2内は菌糸融合頻度にチアミン要求性を加味し、
    AG2-1とAG2-2の二つのサブグル-プに分けられているが、
    分離菌の性質はそれら既知のサブグル-プ特性と合致しない。(
    表1および
    表2)この新しい菌系をAG2-3と提唱した。
  2. 分離株はrDNA(ITS領域)のPCR-RELP解析からもAG2-1、
    AC2-2のIIIB型及びIV型、AGB1などとは明らかに識別される
    (図1)。
  3. 本菌系は5-30度Cで菌糸生育するが、最適温度は22.5度C前後であり、
    R.solaniの各種菌系の中では低温性のものに相当する。
  4. 本菌系は豆科(ダイズ、エンドウ、アズキ、インゲン、
    クローバー)に対して出芽前立枯や出芽後立枯を激しく起こし、
    病原性が強い
    (表3)。
    ダイズ、ダイコン、コムキ等に対する病原性からもAG2-1、
    AG2-2のIIIB型やIV型とは異なる傾向かある。
  5. 本菌系は、棄腐病斑及び各種作物茎上の子実体などからの分離菌の
    調査結果から、これまでに、岩手、宮城、福島県で発生が認識されおり、
    分布範囲が広いとみられる。
成果の活用面・留意点 R.solaniAG2-3の分類特性は各種畑作物のリゾクトニア病害の的確な診断・
同定に役立つ。
本菌系の確定に当たっては、既知の菌系との菌糸融合試験のほか、
チアミン要求性を調査する必要がある。
図表1 230426-1.gif
図表2 230426-2.gif
図表3 230426-3.gif
図表4 230426-4.gif
カテゴリ あずき 水田 だいこん 大豆 播種

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