二段施肥用心土破砕爪付ロータリ

タイトル 二段施肥用心土破砕爪付ロータリ
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1993~1994
研究担当者
発行年度 1993
要約 大豆・飼料作物・野菜作等を対象として、表層と深層に2種類の肥料を施用しながら心土破砕・耕うん・播種作業を行う二段施肥用心土破砕爪付ロータリを開発した。本機を用いて深層へ緩効性肥料を施用すると追肥無しでも追肥区と同等の収量性が得られ、施肥作業の省力化が可能となった。
背景・ねらい 大豆・飼料作物・野菜等の畑作物においては、
積極的に施肥や栽培管理作業を行うことにより収量の増加を図る必要がある。
とりわけ成育中期以降に追肥を施すことは増収に有効であるが、
省略して総作業時間の短縮を図りたい作業工程でもある。そこで、
播種時に表層施肥とともに肥効期間の長い暖効性肥料を深層に施用し、
追肥作業の省略と局所施用による施肥効果の向上を図り、
土壌の硬層を破砕して根圏環境の改善を行うことを目的とした
二段施肥用心土破砕爪付ロータリを開発した。
成果の内容・特徴
  1. 本機はロータリ耕うん作業機に心土破砕部、2種類の肥料を施用できる施肥部、
    および播種部を取り付け、耕うん・施肥・
    播種を1工程で作業できるトラクタ装着式の作業機である(
    図1・
    表1)。
  2. 本機は、生育初期から中期以降までの肥効を確保するために、
    元肥用の化成肥料を表層に施用するとともに、
    暖効性肥料を播種位置直下の深さ約20cmの深層に施用する
    (図2)
  3. 心土破砕爪による土壌中の硬層の破砕効果と深層施肥により根圏環境が
    改善され、作物の根系が深層まで広く分布する。
    (図3)
  4. 本機は従来のロータリと同等の作業時間で耕うん・施肥・
    播種作業を1工程で同時に行うことができるので、
    追肥栽培方式に比べて追肥作業が不要になる分だけ省力化される
    (表2)
  5. 大豆・トウモロコシ・大根栽培に適用した結果、
    追肥栽培方式と同等の収量を得た。ただし、
    施用する暖効性肥料(LPS100は100日型、LP70は70日型)により収量は異なる
    (表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本機は追肥効果の高い作物を栽培する場合に有効である。
  2. 本機は同じ耕うん幅の慣行のロータリ耕うん作業機に対して所要動力が
    約50%増加するため、適用トラクタは出力22kw(30ps)以上が望ましい。
図表1 230431-1.gif
図表2 230431-2.gif
図表3 230431-3.gif
図表4 230431-4.gif
図表5 230431-5.gif
図表6 230431-6.gif
カテゴリ 肥料 栽培技術 省力化 飼料作物 施肥 大豆 とうもろこし 播種

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