土地利用型野菜作雇用確保のポイント

タイトル 土地利用型野菜作雇用確保のポイント
担当機関 岩手県立農業試験場
研究期間 1992~1994
研究担当者
発行年度 1993
要約 土地利用型野菜作経営の雇用確保にあたっては、被雇用者の多くが望む賃金水準向上及び雇用・労災保険加入以外にも、年間就業期間8ヵ月以上への延長なパートタイム制導入など経営側の配慮が望まれる。
背景・ねらい 多くの投下労働時間を必要とする園芸作物では、家族労働力を補完する雇用導入が
規模拡大の有効な手段となっている。岩手県北の土地利用型野菜経営においても
家族経常ではあるが雇用活用で生産を拡大させている事例が多い。しかし、これら農家
での雇用は夏場中心で確保が難しくなっているなど雇用の導入定着が産地の課題と
なっている。
成果の内容・特徴 1) 岩手県の土地利用型野菜作農家における雇用管理(表1)
  1. 調査した雇用農家では作付が夏秋露地野菜で雇用労力は春から秋に渡って導入してい
    る。雇用にはスポット的な臨時もあるが、計画的な大規模作付を支えているのが常時
    雇用者であり、その確保定着のためナガイモ等冬期間作業のある作物を導入するなど
    雇用の長期化を重視している。
  2. 就業規則といった文書化された規定はなく雇用契約は慣行的に口頭で、雇用形態は
    臨時雇用・季節常雇とも日々雇用・日給月給制である。労働条件としてみるべきものは
    賃金と傷害保険であり、労働災害保険や雇用保護は未加入など保障及び福利厚生面では
    十分ではない。なお常雇者の休日は被雇用者の任意であり、雇用期間中は天候又は
    経営主の都合で一方的に休日とされることはない。
  3. 披雇用者には裸手作業中心に全般に従事させる。疲労感の緩和のため、重作業の特定
    の者への集中や、軽作業を織りまぜて連日の重作業を避けている。規格選別は熟練を
    要するが未熟練者には除草や出荷段ボール箱作りとの簡単な作業から入り徐々に仕事の
    範囲を広げるようにしている。
2) 野菜作従事への披雇用者の意識(表2)
    調査した被雇用者(季節常雇、全て女性)は作業の中でも重量物の運搬、雨天時の
    圃場作業を辛いと受けとめているが、雇用期間が比較的長期に渡ることで一定の満足が
    あり事務所工場とは異なった環境の中で働くことの良さを感じている。待遇面の個々
    には改善要望があり、賃金の低さ、終業時間の遅いこと、トイレ休憩所不備を指摘して
    いる。
3) 雇用確保の向上ポイント
    雇用の多くを占める地域農家主婦層の就業意欲をより引き出すため、賃金アップ及び
    雇用・労災保険加入以外で雇用確保に当り経営側が配慮すべき事項として次のことが
    ある。
  1. 就業期間を夏秋期5~10月の6ヵ月を確保し、その前後の延長で8ヵ月以上に延長。
  2. 始業終業の改善による時間短縮またはパートタイム制を導入する。
  3. 熟練者を確保するために、勤務年数に応じたボーナス支給などの措置をとる。
  4. 辞める理由として、被雇用者間の不満不信があるので人間関係への配慮が必要である。
  5. トイレ休憩所を完備し清潔に管理する。
成果の活用面・留意点 想定する経営は家族労力を上回る雇用労力を導入している家族経営であり、品目作型は
夏秋期のレタス・大根・キャベツ等を基幹に長いもの冬掘り冬春期出荷作型を
組み合わせた経営である。
図表1 230438-1.gif
カテゴリ 病害虫 規模拡大 キャベツ 経営管理 出荷調整 除草 なす レタス

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