黒毛和種種雄牛で見出された染色体の転座と繁殖性との関係

タイトル 黒毛和種種雄牛で見出された染色体の転座と繁殖性との関係
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1992~1993
研究担当者
発行年度 1993
要約 7/21ロバートソン型転座をヘテロに保有する個体では、減数分裂時に染色体の不分離によって不均衡型の配偶子を生じる。その結果、遺伝的に不均衡な胚が形成される。それらは出生前に死亡するために、7/21 転座ヘテロ個体では数%であるが繁殖性の低下が起こる。
背景・ねらい ロバートソン型転座は、2本の異なる常染色体が動原体部分で融合した染色体の構造的
変異である。この転座を保有する個体においては、致命的な障害は認められない。
しかし、減数分裂時の染色体の分離様式によっては不均衡型の胚を生じる。
本研究では、黒毛和種で確認されている7/21ロバートソン型転座と繁殖性との関連性に
ついて検討した。
成果の内容・特徴
  1. 7/21転座をヘテロに保有する個体では、減数分裂時に染色体の不分離が起こり、
    その結果、数%であるが不均衡型の細胞が生じる(図1表1)。
  2. 7/21転座へテロ個体の場合、染色体の不分離によって生じた不均衡型配偶子は受精
    して遺伝的に不均衡な胚を形成する。これらの胚は出生前に死亡するために、7/21
    転座ヘテロ個体では低率であるが繁殖性の低下が起こる
    (表2)。
  3. 7/21転座ホモ個体の場合、配偶子は交互分離によってのみ形成されるので、繁殖性
    の低下は起こらない(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 胚の損耗を防止するための基礎資料となる。
  2. 胚の死亡時期については、さらに検討を要する。
  3. 7/21転座はメンデル式遺伝によって遺伝する。従って、7/21転座種雄牛を人工受精
    および体外受精に供用することは差し控えるはうが望ましい。
図表1 230461-1.gif
図表2 230461-2.gif
図表3 230461-3.gif
カテゴリ 繁殖性改善

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