タイトル |
ぶどう新品種「ブラック・アイ」 |
担当機関 |
青森県畑作園芸試験場 |
研究期間 |
1978~1993 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1993 |
要約 |
「ブラック・アイ」は、「巨峰」の自然交雑実生より選抜、育成された品種であり、「巨峰」に比べて花振るいが少なく、収穫期は約1か月早く、果実品質も良好な品種である。
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背景・ねらい |
近年、ぶどうに対する消費者の嗜好は高糖度、大粒系品種へ移ってきている。青森県の 場合、大粒系品種の栽培はハウス栽培を前提に行なわれているが、「巨峰」は年により 花振るいが多く、果実品質にもブレがみられ安定生産は難しいものとなっている。 そこで本品種の特性について調査した結果、「巨峰」に比べて花振るいが少なく早期に 収穫ができ、果実品質も良好であることが明らかとなった。 今後は県の試作品種として増殖を図る予定である。
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成果の内容・特徴 |
- 来歴
青森県三戸郡南部町の沖四兼一氏が、昭和50年頃「巨峰」の自然交雑実生より選抜、 育成した品種である。当場には「沖田1号」として昭和58年に導入された。
- 特性
ア、樹勢は中位であり「巨峰」より弱い。枝梢の太さは中位、熟梢の色は 赤褐色である。 イ、花振るい性は中程度であり、「巨峰」よりも少ない。 ウ、果房は円筒~円錐形で、粒着はやや粗である。果粒は円~短楕円形、果皮は紫黒色 で、着色は容易である。果房重は約300g、果粒量は約11gで、ともに「巨峰」並 である。 エ、果皮は厚く、剥皮はやや困難であり、果肉特性は中間、果肉の硬さは やや軟である。 糖度は約18%と高く、酸の抜けが良い。香気はフォクシーで食味は良好である。 オ、裂果及び脱粒は少ない。 カ、ハウス栽培(無加温)での収穫期は「巨峰」よりも約1か月早く、当場(五戸)で は9月中~下旬頃である。
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成果の活用面・留意点 |
- ハウス栽培(無加温)とし、栽培法は慣行のハウス栽培に準じて行なう。
- 仕立法は改良マンソン仕立とし、栽植距離は2.5×7.0m(57本/10a)とする。
- 剪定は長梢剪定とし、整枝は一文字両側整枝とする。
- 摘心は第1花穂上位4~5葉で行ない、副梢は上位1本を残す。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
新品種
品種
ぶどう
良食味
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