西洋ナシ「ラ・フランス」のエチレン処理による大量追熟法

タイトル 西洋ナシ「ラ・フランス」のエチレン処理による大量追熟法
担当機関 山形県立園芸試験場
研究期間 1993~1993
研究担当者
発行年度 1993
要約 西洋ナシ「ラ・フランス」の収穫後に大型の密閉施設を利用し、大量の果実にエチレンガスを48時間処理することにより、追熟促進と予冷の効果と同様に追熟後の果実熟度の揃いが良くなる。
背景・ねらい 西洋ナシの品種構成は、「ラ・フランス」に偏重しているため西洋ナシの出荷時期の
一極化がみられる。また、「ラ・フランス」は、予冷を必要とするため生産量の増加
とともに予冷施設の不足が予想される。
予冷施設庫不足に対応するため、予冷を行なわずに追熟後の熟度の揃いを良くするとと
もに、追熟を促進させ出荷期間の分散を図れるエチレン処理の実用性を検討する。
成果の内容・特徴 試験方法
大型の密閉施設を利用し、大量の果実にエチレン処理を48時間行うことにより、以下
の効果が期待できる。
  1. 追熟が促進され、追熟期間が10日程度短縮される。
  2. 予冷の効果と同様に、追熟後の果実熟度の揃いが良くなる。
  3. エチレン処理の効果は、収穫期が早いほど高くなるが、収穫期後半でも十分な効果が
    期待できる。
  4. 追熟処理後の果実の日持ち性は、予冷後追熟させた果実と同程度である。
    表1 収穫時の果実品質
    表2 エチレン処理区のエチレン濃度推移
    表3 追熟完了後の果実品質
    表4 追熟完了後の食味官能調査
成果の活用面・留意点
  1. 密閉施設としては、加温施設や柿のガス脱渋施設などが考えられる。
  2. エチレン処理は密閉条件(17度C前後)で行い、エチレンガスは空気より軽いため
    室内を攪拌し、室内のガス濃度が均一になるようにする。
  3. エチレンの処理濃度としては250ppmで十分であるが、大量に処理する際は安全性
    を考慮し、250~500ppmの範囲で処理するようにする。なお、容積100m2
    施設で10トンの果実を処理する場合は、エチレンガス発生剤(商品名:エチレンライト)
    1200g使用すると約500ppmの濃度になる。
  4. 追熟処理後、輪紋病など腐敗果を取り除いて出荷する。
図表1 230488-1.gif
図表2 230488-2.gif
図表3 230488-3.gif
図表4 230488-4.gif
図表5 230488-5.gif
カテゴリ 出荷調整 西洋なし 品種 良食味

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