水稲品種「ゆめさんさ」の栽培法

• 担当機関: 岩手県立農業試験場県南分場
• 研究期間: 1994～1994
• 発行年度: 1994
• 要約: 「ゆめさんさ」を栽培するうえでの指標として、収量構成要素と最高分げつ期茎数、施肥法、刈取り適期、幼穂形成期の栄養診断、生育診断予測について示した。
• 背景・ねらい: 「ゆめさんさ」は中生の良食味品種として、; 主に北上川下流地帯の作柄安定化と産米の品質・; 食味の向上のため平成4年度に奨励品種に採用された。今後、; 「ゆめさんさ」の作付面積の拡大が見込まれ、; 安定的に栽培するうえでの指標が早急に求められていた。; 現地及び場内の試験を検討し、安定栽培する上での栽培法を示す。

成果の内容・特徴

1. 収量構成要素および最高分げつ茎数の指標は以下のとおりである。
   
   1. 収量構成要素(図1・
      図2、一部データ未掲載)
      
   2. 最高分げつ期茎数: 穂数 510～550本/平方メートルを確保するため
      680～800本/平方メートルが必要である(データー未掲載)。
      
2. 栽培法
   
   1. 基肥窒素は 6kg/10a程度とし、穂数を確保する。
      追肥は穂数及び1穂籾数を確保するため、幼穂形成期に窒素で 2kg/10a程度とする。
      極端な多肥は食味を落とすので行わない(図4)。
      
   2. 登熟速度が早いので、出穂後の平均積算温度 900～1050度Cを刈取りの目安として、
      実際の登熟状況を観察して適期に刈り取る(図3)。
      
3. 幼穂形成期における栄養診断の指標は以下のとおりである(データ未掲載)
   
4. 発育指数(DVI)による生育診断予測(データ未掲載)
   生育診断予測のため、以下のとおりDVIのパラメータを決定した。
   
   1. 移植～幼穂形成期のパラメーター
      
   2. 幼穂形成期～出穂期のパラメーター
      
      A: 温度係数，Th: ある日長下で発育速度が最大値の1/2になる温度，
      C,D: DVItr(移植時のDVI)を移植時葉齢の1次関数とした場合の係数
      

• 成果の活用面・留意点: 普及指導上の参考事項。
• カテゴリ: 栄養診断 水稲 施肥 品種 良食味