シンプレックス法を用いた水稲障害不稔歩合推定モデルの平成5年不稔発生へのあてはめ

タイトル シンプレックス法を用いた水稲障害不稔歩合推定モデルの平成5年不稔発生へのあてはめ
担当機関 秋田県農業試験場
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約 平成5年の冷害年に得られた水稲の障害不稔のデータを基に、発育指数と低温感受性の関係について検討し、障害不稔推定モデルを作成した。このモデルにより、比較的高い精度で不稔歩合の推定が可能である。
背景・ねらい 低温による水稲の障害不稔発生は水稲の安定生産上の大きな阻害要因となっている。
平成5年は希に見る冷夏となり、秋田県においても障害不稔が多発したことから、
障害不稔を予測する手法の開発が望まれていた。
成果の内容・特徴 品種はあきたこまちで、大館と秋田の作況解析試験から得られた
出穂日別の不稔データとアメダス平均気温を用いて解析した。
発育指数(DVI)は移植日を 0、出穂日を 1とする発育ステージのスケールである。
発育指数と低温感受性の検討及び障害不稔の計算には、
農業環境技術研究所気象生態研究室の矢島らの障害不稔歩合推定モデルを用いた。
また、これらの解析にあたって、
矢島らが作成したシンプレックス法をサブルーチンとする、
パソコン用解析プログラムを利用した。
  1. ±0.2の限られた範囲内で発育指数を変化させ、
    発育指数と不稔低温感受性との関係を調べた(図1)。
    その結果、DVIが 0.76で低温感受性の最初のピークがみられ、DVIが 1.07(開花期頃)
    になると感受性が最大値を示した。また、
    DVIが 0.6から 1.3の範囲内で低温感受性の基準温度(To)は
    19.1~19.4度Cの範囲にあった。
  2. DVIが 0.76および 1.07で低温感受性がピークになるようなモデルを想定し、
    障害不稔歩合と低温感受性W(DVI)との関係式のパラメータを求めた
    (表1、図2)。
    このモデルへ平成5年の発育指数及び気温データをあてはめた結果、
    比較的高い精度で不稔歩合の推定が可能であった
    (図3)。
成果の活用面・留意点 このモデルでは従来から障害不稔発生に影響が大きいとされる、減数分裂期
(葉耳間長±0cm期、DVIが 0.81~0.9)頃の低温感受性が小さい。
これは平成5年の気象の特徴に起因するものか、あるいは品種特性などによるものか、
検討する必要がある。
図表1 230586-1.gif
図表2 230586-2.gif
図表3 230586-3.gif
図表4 230586-4.gif
カテゴリ 水稲 凍害 品種

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