水稲9葉から10葉期における茎数・葉色の推移による生育診断

タイトル 水稲9葉から10葉期における茎数・葉色の推移による生育診断
担当機関 山形県立農業試験場庄内支場
研究期間 1994~1996
研究担当者
発行年度 1994
要約 水稲品種「はえぬき」をもちいて、9葉期(7月1日)から10葉期(7月10日)における茎数・葉色の推移をパターン化し、より精度の高い簡易診断法を作成した。
背景・ねらい 水稲品種「はえぬき」の高品質(整粒歩合 80%以上)・良食味米を安定生産
(58kg/a以上)するため、生産現場で活用できる簡易な診断法を確立し、
肥培管理等の判断材料とする。
成果の内容・特徴
  1. これまでの生育判断は、9葉期(7月1日)、10葉期(7月10日)
    といったその時々の診断であったが、9葉期から10葉期の推移を加味することで、
    精度の向上を図った。
  2. 平成2年~平成6年の試験から、基肥量、栽植密度を異にし、
    追肥の時期・量が同一(出穂前 25日・窒素成分 0.2kg/a)なサンプルについて、
    精玄米重、整粒歩合、白米中の粗蛋白質含有率で、高品質・低蛋白米、
    低品質・高蛋白米、減収(58kg/a未満)の 3つに分類した。
  3. 高品質・低蛋白米は、
    9葉期の茎数が500~850本/平方メートルで葉色は 38~44にあり、
    10葉期には、茎数が多い場合は葉色が低下し、少ない場合は濃くなる傾向にある
    (図1)。
    低品質・高蛋白米は、9葉期の茎数が、
    600本/平方メートル以上で葉色は 39以上にあり、
    10葉期には茎数が増加、あるいは葉色が濃くなる傾向にある
    (図2)。
    減収する場合は、9葉期の茎数が 600本/平方メートル以下、
    あるいは葉色が38以下で10葉期にかけて葉色が低下する傾向にある
    (図3)。
  4. 高品質・低蛋白米を 9葉期の茎数、葉色で 5領域に分け、
    10葉期の推移パターンを
    図4に示した。
成果の活用面・留意点
  1. 高品質・低蛋白米の茎数・葉色の推移を示す場合は、出穂前 25日に窒素成分
    0.2kg/aの追肥により品質・食味・収量の高位安定が図られる。
  2. 低品質・高蛋白米の茎数・葉色の推移を示す場合は、
    追肥時期を遅らせるか追肥量を減じること、また、減収(58kg/a未満)の場合は、
    追肥時期を早め、
    その後の凋落を防止することにより品質・食味・収量の向上に努める。
  3. 以上の成果は、山形県庄内地域平坦部の「はえぬき」に適用する。
図表1 230590-1.gif
図表2 230590-2.gif
図表3 230590-3.gif
図表4 230590-4.gif
カテゴリ 簡易診断 水稲 肥培管理 品種 良食味

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