タイトル |
難穂発芽・良質性品種「しゅんよう」 |
担当機関 |
山形県立農業試験場 |
研究期間 |
1954~1994 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1994 |
要約 |
小麦「しゅんよう」は「ナンブコムギ」並の早生種であり、収量性・外観品質に優れ、耐雪性は「キタカミコムギ」にやや優る。また、めんの色が良好なことから、山形県産小麦の品質安定及び向上に寄与する。
|
背景・ねらい |
山形県産小麦は「ナンブコムギ」では収量性・外観品質の面で、また、 「キタカミコムギ」では穂発芽・低アミロ等により、 生産・実需両者から問題視されていた。このため、 これらの特性に優れる品種の導入による麦作の安定化が要望されていた。
|
成果の内容・特徴 |
- 「しゅんよう」は耐寒性・多収・良質を育種目標として、
昭和53年度に長野県農事試験場麦類育種指定試験地において、 小麦縞萎縮病強・穂発芽性極強・多穂数の「東北 148号」と多収・良質・高製粉特性の 「東山 10号」を交配し、以後系統育種法によって選抜・固定を図ってきたものである。
- 播性程度はIVで、成熟期は「ナンブコムギ」並である。
- 稈長は「ナンブコムギ」より 10cm程度短く、耐倒伏性は強い。
- 収量性は「ナンブコムギ」より多収で、「キタカミコムギ」並かやや多収である。
- 千粒重は「ナンブコムギ」に比べてやや小さいが、外観品質に優れる。
- 耐雪性は「ナンブコムギ」よりやや弱いが、「キタカミコムギ」よりやや強い。
- 穂発芽性は「ナンブコムギ」並の難である。
- 粒質は粉状質で、粉色は「ナンブコムギ」に近似し、良好である。
- アミログラム最高粘度は「ナンブコムギ」と同程度である。
- 粗蛋白含有率は「ナンブコムギ」よりやや低く、「キタカミコムギ」と同程度である。
- ゆで麺の総合評価は「ナンブコムギ」並である。
表1 特性一覧
|
成果の活用面・留意点 |
- 適応地帯は山形県内平坦部で、根雪期間が 100日未満の地域である。
- 融雪時追肥・減数分裂期追肥の併用により原粒の粗蛋白含有率の向上に努める。
|
図表1 |
 |
カテゴリ |
育種
萎縮病
小麦
耐寒性
品種
|