タイトル |
クワシントメタマバエの幼虫発生消長調査による防除適期の簡易把握法 |
担当機関 |
岩手県蚕業試験場 |
研究期間 |
1992~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
圃場で立毛中の桑の頂芽30芽を無作為に選び、ヘッドルーペを装着し、先細ピンセットで静かに解剖・観察し、クワシントメタマバエ幼虫が寄生している頂芽数を経時的に調査することにより、防除適期を簡易に把握する方法を考案した。
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背景・ねらい |
クワシントメタマバエの薬剤防除法としては、土中から羽化してくる成虫を対象とした 微粒剤による地表面散布と、芽を加害している幼虫を対象とした液剤による頂芽散布 がある。発生期間が長期にわたり、かつ、その消長が毎年のように変わる本種の 生態は、薬剤散布の時期設定を困難にしている。そこで、ある程度の被害を容認 しつつも実際の発生消長にあった効果的な防除適期の簡易把握法を考案した。
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成果の内容・特徴 |
- ヘッドルーペによる幼虫寄生芽数の調査法(ヘッドルーペ法)
- 例年多発する圃場を選定し、春切桑園では7月1日から8月11日まで、夏切桑園では
7月11日から9月1日まで、半句毎あるいは1週間毎に継続調査する。
- 圃場で立毛中の桑の頂芽30芽を無作為に選び、ヘッドルーペを装着し、先細
ピンセットで静かに解剖・観察し、幼虫が寄生している頂芽数を記録する。ヘッド ルーペによる幼虫寄生芽数の消長は、頂芽を採集し室内での実体顕微鏡観察による 精査法と近似した。
- 防除適期の簡易把握法
- 縦軸に幼虫寄生芽数を、横軸に調査時期をとり、その発生消長をグラフにプロット
する。
- 前回の調査より幼虫寄生芽数が多く観察された時期を、液剤による頂芽散布の適期と
判断する。さらに、次回の調査でも幼虫寄生芽数が多く観察された場合、その1週間 以内をダイアノジン微粒剤F等による地表面散布の適期と判断する。
図1 クワシントメタマバエ幼虫の発生消長
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成果の活用面・留意点 |
- ヘッドルーペ観察では孵化まもない幼虫の識別が困難なため、幼虫寄生芽数が小さな
数値でも、実際の被害はそれより高くなることを念頭におくこと。
- 調査は外見上被害の見られない健全芽を対象とする。
- 本種幼虫の発育が急激なため、調査間隔は半句毎あるいは1週間毎とする。それ以上の
調査間隔では、カウントできない個体が増加する危険性がある。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
桑
防除
薬剤
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