タイトル |
種茎散播による密植桑園の省力化造成法 |
担当機関 |
山形県蚕糸総合研究センター |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
古条を3芽2節に調製した種茎を散播し、覆土マルチすることで機械収穫に対応する密植桑園造成が可能となり、造成時間は従来の約13%、造成経費約27%で可能な、省力作業体系を確立した。
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背景・ねらい |
半条型条桑刈取機の導入を前提とした密植桑園を造成する場合、造成時の作業時間と 経費を大幅に削減するため、種茎の散播による種茎直播法で桑園を造成し、作業体系 と経済性について明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 穂木は前年春切株の初秋蚕以降に利用した枝条残部か、夏切枝条で晩秋蚕期80cm以上
残し収穫した枝条残部を用いる。
- 穂木の貯蔵は、前年初冬期採取穂木の場合、ポリフィルムで梱包し屋内に貯蔵する。
また、春採取穂木は同様に貯蔵するか、屋内で基部を水に浸漬することで約50日間 貯蔵が可能である。
- 種茎の調製は、家庭用電気鋸で15cmの長さに3~5本束にして行うことで、10a必要本数
6000個が約50分で調製できる。
- 播種は、深耕整地後畦間1.5~2.0m播幅50cmとし、1平方メートル当たり30本の種茎を
散播する。散播後マルチャーで覆土・マルチを行う。マルチは黒色ポリフィルムを 用い、約1ヶ月後に除去する。除去後に除草剤としてトリフルラリン6kg/10aを散布 する。
- 施肥は新梢が約10cm程度時(7月上旬頃)窒素成分18kg/10a量を施与する。
- 10a当たり造成時間は7.6時間と現行の13%で簡易に造成が可能となり、造成経費も56,188
円と従来より154,004円の有利性がある。
表1 種茎直播技術体系と作業時間 表2 造成経費 表3 造成経費の比較
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成果の活用面・留意点 |
- 使用する品種は、発根性の旺盛な品種を用いる。
- 穂木や芽枯病や胴枯病のない健全な枝条を用いる。
- トラクターやマルチャーで覆土を行う場合、ロータリー回転を早くl深さ15cmを目標
に低速で耕耘覆土する。
- ポリフィルム被覆期間は、播種後25~30日前後とすることで芽焼けが少なく、高い
活着率が得られるが、20日目以降高温が継続した場合は適宜除去する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
桑
省力化
省力作業体系
除草剤
施肥
播種
品種
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