タイトル |
にんにく茎頂の超低温保存 |
担当機関 |
青森県グリーンバイオセンター |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1994 |
要約 |
ニンニクの茎頂は、ガラス化法による超低温保存を用いることで長期間にわたって高い再生能を維持することができる。試料の採取時期は9月から11月頃までで、凍結保護剤としてPVS2を用いる。保存後の再生個体に形態的変異は認められない。
|
背景・ねらい |
にんにくは栄養繁殖性作物であることから、品種保存には、毎年、圃場栽培を 繰り返して栽培することが必要である。このため保存には多大な労力及び広い圃場を 必要とすることから、簡易で安定的な長期保存技術が望まれていた。
|
成果の内容・特徴 |
- 材料は、夏季休眠の覚睡後のおおよそ9月から11月までの期間に、室温で貯蔵した
リン片から採取する。基盤部0.5mmと茎頂を含む葉原基3~4枚つけた状態 (図1)に調整し、MSホルモンフリー培地上で20度C、 12時間照明で2日間以上培養する(前培養)。
- 凍結保護剤としてPVS2を用いる。
- ねじ蓋付きの硬質ガラス製またはプラスチック製の凍結保存用容器に、茎頂10~20個
を入れ、0.5mlのPVS2を注ぎ、25度Cで撹拌しながら7~15分間浸漬後、容器ごと速やかに 液体窒素中に投入して保存する(ガラス化法)。
- 保存後の植物体を回復させるには、30度C温湯で速やかに昇温後、3%しょ糖溶液を
用いて撹拌しながら、2倍希釈を5分間隔で3回繰り返して8倍まで希釈後、 GA30.5mg/l添加MS培地で培養する。
- ガラス化法による超低温保存後の再生率は、予備凍結法に比べて高い。また、再生個体
は生長点から直接的に茎葉が再生し、球の形状及び草姿に異常は認められていない (表1)。
- 1年半の保存後でも植物体の再生率は100%である
(表2)。
- 再生率には品種間差があり、「福地ホワイト」「阿城」「上海」及び「九竜桃色」で
100%であるが、「台中軟骨」では71.3%である (表3)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 生長点が小さい品種では、大きさが約2mm以上になるまで培養した後に、超低温保存
する。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
図表4 |
 |
カテゴリ |
長期保存・貯蔵
にんにく
繁殖性改善
品種
|