タイトル |
難穂発芽性・良質小麦品種「しゅんよう」の採用 |
担当機関 |
福島県農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
小麦品種「しゅんよう」は、「ワカマツコムギ」より早熟で、収量性・外観品質が優れる。また、難穂発芽性で、安定した加工適性を有することから、福島県会津地域を中心とした小麦作の安定化が期待できる。
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背景・ねらい |
福島県会津地域対象の奨励品種である「ワカマツコムギ」は、耐雪性に優れた強稈・多収の優良品種である。しかし、成熟期が6月6半旬から7月1半旬とやや遅く、収穫期が梅雨盛期と重なることから雨害にあいやすく、安定した品質の確保が困難であった。このため、「ワカマツコムギ」並の優れた栽培特性を有し、さらにより早熟な良質品種の導入が要望されていた。
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成果の内容・特徴 |
- 「しゅんよう」は耐寒性・多収・良質を目標に、昭和53年度に長野県農事試験場で「東北148号」と「東山10号」を交配し、系統育種法により選抜・固定を図り育成された品種である。
- 「ワカマツコムギ」より出穂期で6日、成熟期で4日早い中生種である。
- 稈長は「ワカマツコムギ」より5cm程度長いが、耐倒伏性は同程度の「強」である。
- 穂長は「ワカマツコムギ」より短く、穂数はやや多い。
- うどんこ病抵抗性は「ワカマツコムギ」と同程度だが、赤さび病・赤かび病はやや弱い。
- 穂発芽性は「ワカマツコムギ」より優る「やや難」である。
- 耐雪性は「ワカマツコムギ」よりやや劣り、「アオバコムギ」並の「中」である。
- 収量性は「ワカマツコムギ」並の多収品種である。
- 千粒重は「ワカマツコムギ」並の中粒で、見かけの品質は「ワカマツコムギ」に優る。
- アミログラムの最高粘度は「ワカマツコムギ」より高く、より安定した品質を有する。
- 粗蛋白含有率は「ワカマツコムギ」よりやや高く、「トヨホコムギ」並である。
(表1 「しゅんよう」の特性一覧)
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成果の活用面・留意点 |
- 耐雪性が「中」であるため、適応地帯は福島県下の根雪期間が90日以下の地域とする。
- 穂数型の品種であるので、適切な肥培管理により十分な穂数の確保に努める。
- 赤さび病、赤かび病等に弱いので防除を励行する。
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
育種
うどんこ病
加工適性
小麦
耐寒性
抵抗性
肥培管理
品種
防除
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