タイトル |
オウトウ加温ハウスの温度管理法 |
担当機関 |
山形県立園芸試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
オウトウの加温ハウス栽培において高品質果実を安定的に生産するため生育ステージに応じた温度管理法が明らかになった。特に被覆から開花期間までの温度を低めに管理することにより結実安定できる。また、果実肥大期の夜温が高いと果肉軟化しやすい。
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背景・ねらい |
オウトウのハウス栽培は、早出しによる有利販売、また収穫期間延長による労力分散の点で有利であるため、面積が増加している。しかし、温度管理の不備による障害の発生、結実不良、果実軟化などの問題が多い。そこで、高品質の果実を安定的に生産するための温度管理指標を作成するため、各生育ステージごとの温度条件が樹体および果実品質に及ぼす影響を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 被覆から開花始期までの昼温は15~20℃が適当である。25℃で管理すると、花が小さくなり、花粉量が少なく花粉発芽率も低くなる(表1)。また、この期間の夜温は被覆から7~10日間を0~5℃、開花始期までを5℃で管理すると形質のすぐれた花が開花しやすく、大玉の果実が生産できる。
- 開花期間の昼温は18~23℃に管理すると結実が安定する(表2)。また、この期間の夜温は7℃前後が適当である。開花期間の夜温を高くすると、花粉発芽率が低下し、結実率が低くなる(表3)。
- 落花期から硬核期までの昼温は20~25℃が適当である。30℃で管理すると果実肥大が劣り、酸が高くなる(表4)。また、この期間の夜温は8~13℃が適当である。18℃で管理した場合、収穫期は早まるが果肉硬度の低下が急激で果実軟化が発生しやすい(表5)。
- 硬核期から収穫期までの昼温は25℃前後が適当である。30℃で管理すると酸味がつよく着色が不良で、20℃では果肉硬度が低下する(表6)。また、この期間の夜温は13℃前後が適当である。
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成果の活用面・留意点 |
人工授粉を行う場合は発芽率が十分な花粉を使用する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
おうとう
温度管理
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