タイトル |
ピーマンの疫病抵抗性台木の生育特性と接ぎ木技術 |
担当機関 |
岩手県園芸試験場 |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
ピーマンの疫病回避技術として、抵抗性台木の利用が有効である。穂木・台木とも72セルに同日播種し、接ぎ木は本葉4枚時に子葉と本葉第1葉の間で行う。養生条件は、温度25~30℃、湿度85~95%、照度3.0klux、養生期間4日間とする。
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背景・ねらい |
近年、夏秋ピーマンの施設化に伴う連作により、高温期の萎ちょう性土壌病害が増加している。萎ちょう性土壌病害はこれまでの診断によると大半が疫病、青枯病であるが、いずれも難防除病害である。そこでこれまで報告されている台木による疫病の防除効果と接ぎ木苗の作出方法について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 疫病抵抗性台木として、抵抗性及びピーマンの品質・収量から判断して「スケットC」が有望である(表1)。
- 接ぎ木栽培による生育及び収量性は、自根と同程度かやや劣る傾向にある。
- 穂木・台木は同日播種でよい。播種は72セルトレイに直接行う(表2)。
- 接ぎ木時の葉齢は、本葉4枚程度とする。本葉3枚時では子葉と本葉第1葉の間が短く、本葉5枚になるとトレイ上で本葉同士が重なり始め、接ぎ木作業に支障を来す(表2)。
- 接ぎ木位置は、穂木・台木とも子葉と本葉第1葉の間とし、専用チューブを利用した幼苗接ぎ木法でよい。
- 養生期間は接ぎ木後4日間程度とし、5日目以降は通常の育苗管理とする(表3)。
- 接ぎ木苗は、接ぎ木時から活着まで生育が一時的に停止する。このため、定植期や収穫開始期は、自根栽培と同日播種では5~7日遅れる。
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成果の活用面・留意点 |
- 「スケットC」は青枯病の抵抗性を持たない。また、現在青枯病に対して強い抵抗性を持つ台木品種は育成されていない。このことから、現地で接ぎ木栽培を導入する場合は病害を正確に診断した上で実施する。
- 接ぎ木活着率を高めるため、養生施設の利用が前提となる。
- 養生条件は、温度25~30℃、湿度85~95%、照度3.0kluxとする。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
青枯れ病
育苗
栽培技術
台木
接ぎ木
抵抗性
播種
ピーマン
品種
防除
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