岩手県北部地域における密植桑園の連年夏切収穫法

タイトル 岩手県北部地域における密植桑園の連年夏切収穫法
担当機関 岩手県蚕業試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 密植桑園の連年夏切収穫法は、従来の一春・一夏輪収法と同程度の収穫量が得られ、春蚕期の収穫枝条の細径化も図られる。
背景・ねらい 北部地域における密植桑園の春蚕収穫枝は、前年の春切りした越年枝条を利用しているが、この枝条は年によって条径が太くなりすぎたり、落葉長が高くなったりして機械収穫に支障を来たす場合がある。そこで、夏切後の再発枝条を連年夏切する収穫法について検討したところ、極端な冷夏年を除き安定した成績が得られた。
成果の内容・特徴
  1. 春蚕期に地際から基部伐採収穫(夏切)を行い、再発した枝条を晩秋蚕期に地上80cm残し水平伐採収穫を実施し、翌年の春蚕期に再び収穫する。
  2. 連年夏切の収穫法は、従来の一春・一夏輪収法と同程度の収穫量が得られる(表1)。
  3. 夏切再発枝条は春切の枝条より約30%条径が細く、収穫枝条の細径化が図られる(表2)。
  4. 7月中旬以降に夏切した再発枝条は枝条の伸びが劣るほか、翌春の収穫量も減少するため、夏切は7月上旬までに実施する(データ省略)。
  5. 夏切再発枝条は寒枯れ・先枯れ・胴枯病等の発生が予想されることから、地域適応品種のなかでも耐寒・耐胴枯病性の勝る品種を用いる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 晩秋蚕期における夏切再発枝条の収穫は、翌春の枝枯性病障害の発生に大きな係わりを持つため、1枝条に緑葉を5枚以上残すことが必要で、下部落葉状況等によっては80cm以上の高い位置から収穫するなどの対応が必要となる。
  2. 晩秋蚕期の先端伐採は収穫量が少ないので、晩秋蚕期の3~4齢用桑として早めに利用する。
  3. 夏切再発枝条の生育が極端に劣る冷夏年においては未成熟な枝条が多いため、翌春の枝枯性病障害の発生が多いことから、翌年は春切として、樹勢回復を図る。
  4. 基準施肥や適期除草管理及び土壌改良資材の施用等、既往の管理技術の遵守によって、桑の樹勢維持を図る。
図表1 230869-1.gif
図表2 230869-2.gif
図表3 230869-3.gif
カテゴリ 病害虫 管理技術 樹勢回復 除草 施肥 土壌改良 品種

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