タイトル |
桑園の収穫法別窒素施肥法 |
担当機関 |
福島県蚕業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
寒冷地桑園の収穫法別施肥法は、春切が夏肥重点、夏切が春肥重点の施肥とし、夏全伐は春夏同量とする。密植桑園の窒素施用量は利用効率を考慮して決定し、特に夏肥の施用時期を遅れないように注意する。
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背景・ねらい |
現在の桑園施肥基準では、窒素施肥量が収繭目標だけで決定されていること、寒冷地桑園の収穫法別の施肥法が明確には定められていないこと、また、施肥窒素の行動や収穫物に対するそれの役割等の窒素施肥法策定のための基礎データがないことなどの問題点が残されている。そこで、桑園土壌中での施肥窒素の行動と桑による吸収利用について15N-トレーサー法を用いて長期にわたって検討し、寒冷地桑園の施肥法に対する改善方策をとりまとめた。
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成果の内容・特徴 |
- 寒冷地桑園土壌中で、春肥窒素は夏の期間も下層土に存在し、夏肥窒素は生育期間中第1層、第2層に多くこの分布には降水量の影響が大きい(図1)。
- 春肥窒素は利用期間が長く、夏肥窒素は6月下旬~8月上旬の吸収が多いことが特徴である(図1)。
- 施肥窒素の利用率は約30%で、その変動は夏肥>春肥である(表1)。
- 施肥窒素の利用率は輪収法春切で春肥より夏肥がやや高く、輪収法夏切では夏肥より春肥が明らかに高く、夏全伐法では春肥と夏肥が同等である(表2)。
- 栽植密度の違いでは、施肥に対する依存は慣行植より密植で高く、施肥窒素の利用率は慣行植より密植で高い(表3)。
- これらの結果から寒冷地の現在の施肥法に対する改善点を以下に掲示する。
- 収穫法別施肥法では、施肥割合は春切がやや夏肥重点の施肥、夏切が春肥重点とし、夏全伐は春夏同量とする(表4)。
- 密植桑園の施肥法では窒素施用量は利用効率を考慮して決定し、特に夏肥の施用時期を遅れないように注意する。
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成果の活用面・留意点 |
- 追肥は一般年は必要としないが、窒素の流亡する多雨年では必要である。
- 夏切での春肥の施肥時期、夏全伐での夏肥の施肥時期には遅れないように注意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
肥料
桑
施肥
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