種茎直播による造成桑園の造成当年の窒素施肥法

タイトル 種茎直播による造成桑園の造成当年の窒素施肥法
担当機関 福島県蚕業試験場
研究期間 1992~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 種茎直播では根系が浅く、造成当年は、8月中~下旬から肥切れとなる場合もあるので、新梢が約10~20cm伸長した時点と窒素利用率の高い8月中旬頃の2回に分けて施肥する。施肥量は年間窒素成分量で15kg/10aとする。
背景・ねらい 種茎直播では苗木による造成と異なり、古条から直接発根させて桑園にするため、発根要因に配慮した採苗圃に近い施肥法が望ましいと考えられる。また、種茎直播では種茎を全部埋設するので、芽が地上部に出て伸長する時期は古条挿し木よりも遅れるために、養分吸収開始時期は古条挿し木よりも遅れることが予想される。さらに、根系が浅いことから、造成年の施肥は適期施肥が必要である。そこで、種茎直播による造成桑園の造成当年の窒素施肥法について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 新梢中の窒素に占める吸収窒素の割合が高まるのは、播種後39日の新梢が約10cmに伸長した時点であるが、吸収量は少ない。吸収量が多くなるのは、新梢長が約20cmで、新梢の大部分が吸収窒素となり、吸収量も急激に増大する(図1)。なお、この時点での窒素吸収量を種茎数(4個/㎡)で換算すると10a当り0.1~0.2kgである。
  2. 施肥時期を除去時、5cm伸長時、10cm伸長時とした場合、発芽率に大きな違いはないが、除去時の窒素施肥量が60g/㎡以上では明らかに発芽数が少なく、一度発芽して枯死する新梢も多い(図2)。
  3. 播種時施肥窒素の利用率は3ヶ年の平均で他の時期の半分である(表1)。
  4. 以上の結果から、種茎直播では根系が浅く8月中~下旬から肥切れとなる場合もあるので、種茎直播造成1年目の窒素施肥法は、新梢が約10~20cm伸長した時点と利用率の高い中旬頃の2回に分施する。施肥量は年間窒素成分量で15kg/10aとする。
成果の活用面・留意点 窒素肥料の施肥位置は畦が中心となるので、新梢が短い時期は散布むらによっては発芽率を低下させる恐れもあるので、施肥時期、施肥量、散布むらに注意する。
図表1 230873-1.gif
図表2 230873-2.gif
図表3 230873-3.gif
カテゴリ 肥料 挿し木 施肥 播種

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