やませ地帯で多発するクワ枝条の基部折損倒伏症の原因と対策

タイトル やませ地帯で多発するクワ枝条の基部折損倒伏症の原因と対策
担当機関 岩手県蚕業試験場
研究期間 1995~1996
研究担当者
発行年度 1995
要約 岩手県北部沿岸地域の桑園で「やませ」気象年に多発しているクワ枝条の基部折損倒伏症はクワ枝軟腐病の1症状と診断され、Erwinia carotovora subsp. carotovoraを病原と認める。発生機作および当面の防除対策等が明らかになる。
背景・ねらい 1976年頃から、岩手県北部沿岸地域の桑園で、8月から9月にかけて春切枝条が基部から折損・倒伏・脱落する原因不明の症状、いわゆる「折損倒伏症」が「やませ」気象年に多発しており、原因の究明と防除対策の確立が要望されてきた。そこで、折損倒伏症の原因、発生機作および防除対策等を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 病原:折損倒伏枝条患部から関連微生物を分離し、接種試験および簡易同定等により検討した結果、クワ枝軟腐病菌(Frwinia carotovora subsp. carotovora)を病原と認めた(表1)。本症状はクワ枝軟腐病の1症状と診断された。また、病原細菌の非病原性拮抗株製剤を散布した結果、その有効性が認められ、本症状が軟腐病菌の感染によることが間接的に認められた。
  2. 発生機作:春切剪定後の株面の切り口に、土壌等から飛散した病原細菌が冷涼・多湿な「やませ」気象下で感染・定着し、増殖する。一方、潜伏芽から伸長した新梢の基部は株面の切り口と絶えず接触することにより、容易に傷をつけられ、それが侵入門戸となる。枝条基部に形成された軟腐症状の黒褐色病斑は枝条の伸長とともに徐々に拡大する。基部に病斑のある枝条は梅雨明け後も伸長を続けるが、伸長にともなって枝条重量が基部に加わるため、弱い風などにより容易に折損・倒伏し、脱落する。
  3. 当面の防除対策:1) 「春切」桑園では春切剪定の際、株面の切り口に冬芽が残るように枝条を1~2cm残して選定する。 2) 「株下げ春切」桑園では剪定直後に株面の切り口に殺菌塗布剤を塗布する。または5月下旬から6月にかけて約15日おきに2~3回ストレプトマイシン・銅剤の500倍液を新梢基部に重点散布する(100 l/10a)。 3) 被害の多い「改良鼠返」等の品種を避け、被害の少ない「ゆきしのぎ」等の品種を栽植する。
成果の活用面・留意点 未熟な有機質資材の大量投与や多肥栽培では被害が多くなるので、「改良鼠返」の栽植圃場では施用量を控え目にすること。
図表1 230875-1.gif
カテゴリ 土づくり 肥料 病害虫 品種 防除

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