タイトル |
岩手県における貯留型除湿乾燥方式を採用した米麦乾燥調製施設の実態と利用法 |
担当機関 |
岩手県立農業試験場 |
研究期間 |
1994~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
県内の貯留型除湿乾燥方式を採用した米麦乾燥調製施設は、水分偏差減少等の利点があるが、乾燥能力は低い傾向にある。稼動形態は、プール処理や半乾貯留方式の活用が効率的であり、品質管理の面では下限風量比の厳守・ローテーションの徹底を図る。
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背景・ねらい |
近年、ライスセンターを中心に急速に実用段階に入った貯留型除湿乾燥方式は、高付加価値米生産を主目的としているが、建設コスト、稼動コスト、ともに従来の火力乾燥方式に比較すると割高になる。また、秋期に低温高湿条件となる県内における適応性が疑問視されていた。そこで、その性能と実態について調査を行い、利用法について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 実態:
ア 気象条件による乾燥能力の変動が大きく、特に10~11月の低温高湿条件により低下し、 乾減率は0.1~0.2(%/hr)である。 イ 乾燥時間を多く要するため、乾燥後の水分偏差は安定して小さくなる。 ウ 乾燥効率は条件による変動はあるものの、火力乾燥に比較すると同程度からやや劣り、 脱水経費でみても高コストになる。(以上 表1、図1)
- 利用法:
ア 荷受け集中時の混乱回避や適正な品質管理のためには、プール処理を励行し、ビンの効 率利用のためには、半乾貯留方式の活用が望ましい。 イ 籾の品質安全性の点から、下限風量比(籾水分25%で0.2(m3s・t))を下回らないような堆 積高さを設定する。また、層別の水分差解消のために、ローテーションを1日1回以上行う 必要がある。
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成果の活用面・留意点 |
- 新規導入の際は、地域の気象条件を十分考慮し、地域によっては加温装置の設置も検討する必要がある。
- 倉庫指定が受けられるタイプがあるため、地域の営農推進方針を反映できるような施設にする必要がある。
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図表1 |
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カテゴリ |
乾燥
高付加価値
コスト
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