タイトル |
水田用栽培管理ビークルの特徴及び性能 |
担当機関 |
山形県立農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1995 |
要約 |
生研機構が開発した水田用栽培管理ビークルの実用化に向け、現地適応性試験を行った。その結果、田植作業は従来の田植機と同等以上の性能であり、液剤少量散布機による防除作業も高能率な散布が可能であった。また、粒状物散布機による除草剤散布作業、農薬散布作業、追肥作業は、均一散布が可能で作業能率も高かった。
|
背景・ねらい |
水稲の規模拡大やほ場の大区画化に対応するため、管理作業の乗用化が重要な課題となっている。本課題では、生研機構が開発している水田用栽培管理ビークルの性能を調査し、水田管理作業の省力化の確立に資する。
|
成果の内容・特徴 |
- 水田用栽培管理ビークルは、2本のPTO軸(回転数が作業速度に比例したものとエンジン回転に比例したもの)を持つ乗用型作業車で、各社共通化したオートヒッチにより各種作業機を簡単に着脱することができる。作業機としては、田植機、液剤少量散布機(300倍25 l/10a)、粒状物散布機(肥料5~50kg/10a、粒剤1~6kg/10a)がある。
- ビークルによる田植作業は、6条用で作業速度が1.0m/s以上確保でき、ほ場作業量が28.8a/hと現行の高速田植機並の能力があり、作業精度も良い。
- 液剤少量散布機は、作業速度に連動した回転数が得られるため吐出量が一定で、エアーアシスト装置により株元まで液剤を到達させることができる。散布幅は7.5mであり、作業速度0.72m/sで散布した場合、ほ場作業量は103a/hと高能率なうえ散布量が25.3 l/10aと精度も高い。
- 粒状物散布機は、作業速度に連動した6ユニットの繰出装置を備えており、1ユニットに2個の吐出口があるため、散布ムラがすくない高精度散布が可能である。穂肥散布の結果、ほ場内における葉色、玄米蛋白含量のバラツキが小さく、均一散布が期待できる。
- 4回のビークル走行による減収率は、0.9%であり水稲立毛中走行による収量への影響は少ない。
(具体的データ)
|
成果の活用面・留意点 |
耕盤が不安定なほ場での作業は、車輪沈下の恐れがあるため、十分留意する。また、作業時は5cm程度潅水し、車輪による泥の持ち上げを防止する。
|
図表1 |
|
カテゴリ |
肥料
病害虫
規模拡大
栽培技術
省力化
除草剤
水田
水稲
農薬
防除
|