タイトル |
水稲直播栽培の体系別投下労働時間と春作業工程費用 |
担当機関 |
山形県立農業試験場 |
研究期間 |
1995~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
水稲直播栽培は移植栽培に比べ10a当たり投下労働時間が少なく省力的で、時期別には春季に低下し、秋季はピークが遅くなる。各直播体系と移植の種子予措から直播または移植までの春作業行程の体系別費用は、移植8条植体系が最も多く水稲直播の背負動散散播体系が最も少ない。
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背景・ねらい |
水稲直播栽培の定着化を図るには、その利点等を明らかにする必要があるが、直播には種々の方式があることから、各直播体系別の特徴を解析することが重要である。そこで、水稲直播栽培の体系別労働時間ならびに時期別投下労働時間と春作業行程の費用を明らかにした。
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成果の内容・特徴 |
- 無代かき作溝条播、噴頭回転式広幅散布、田植機改造型条播、背負動力散布機散播の4つの直播栽培体系について、山形県内の農家実践事例1~3戸に聞取り・記帳調査し同一農家の移植事例を比較対照に、体系別の投下労働時間と費用を把握・解析した。
- 直播栽培体系の10a当たり作業時間は移植栽培より約30%少ない。その主因は、移植体系の育苗移植作業に対する直播の播種作業等による春作業工程時間の節約であり、省力化の効果が上がっている(第1表)。
- 直播栽培の時期別投下労働時間は移植栽培に比べ春季が少なく、秋季は栽培時期が7~14日間程度遅れるため、労働ピークが後方にずれる(第2表)。
- 調査事例の直播栽培体系の10a当たり費用は、直播専用機を当地域における大規模農家の当面の目標面積である10haで使用する場合では移植事例より低い(第3表)。
- 水稲直播栽培の種子予措から播種までと移植体系の種子予措から移植までの春作業行程部分の生産資材費、機械施設費、労働費等を積み重ねて体系別標準経費を算定し、稲作規模別推移を検討した。その結果、移植の田植機8条植体系が最もコストが高く田植機6条植体系が次ぐ。そして、背負動力散布機による直播散播体系が最もコストが低く推移する。また、無代かき作溝条播体系、噴頭回転式広幅散布体系、田植機改造型条播体系の3つはその中間に位置している。その中では当初、田植機改造型条播体系が低いが、16ha前後から無代かき作溝条播体系と噴頭回転式広幅散布体系の方が低くなる(第1図)。
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成果の活用面・留意点 |
- 東北南部積雪寒冷地帯の条件によっている。
- 水稲直播栽培は各体系とも技術の開発、発展途上にあり、今後の展開が考えられる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育苗
コスト
直播栽培
省力化
水稲
播種
春作
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