リンゴ新わい性台木「JM7」を用いた「ふじ」の生育及び果実特性

タイトル リンゴ新わい性台木「JM7」を用いた「ふじ」の生育及び果実特性
担当機関 (旧岩手県園芸試験場)
研究期間 1996~1998
研究担当者
発行年度 1996
要約 果樹試験場リンゴ支場で育成されたリンゴわい性台「JM7」は、「ふじ」を穂品種とした場合M.26よりわい化効果が高く、熟期が早まり果実品質も優れており、省力的低樹高栽培に適した台木として期待される。
背景・ねらい 岩手県におけるリンゴわい化栽培は、M.26、M.9台等を利用しているが
繁殖に用いたマルバ、実生台等の補助根をせん除せず、
二重根での栽培が多かったため、わい性台木本来の特性が発揮できず
樹冠の拡大が進み、樹高が高くなりやすかった。
「JM7」は挿し木発根性が高く、繁殖に補助根を必要としないため、
補助根による弊害が回避されると考えられる。そこで「ふじ」を穂品種とした
「JM7」台利用による省力的低樹高栽培への適性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 「JM7」台「ふじ」におけるわい化効果はM.26よりやや強い
    (図1)。
  2. 主要品種である「ふじ」との接ぎ木親和性は高く、台勝ちを有する。
  3. 生産効率はM.26台木に比較し高く、「ふじ」で多収性が認められる
    (図2、3)。
  4. 「JM7」台「ふじ」の果実品質はM.26台木と比較し、
    果実肥大に大きな差は認められないが、硬度、糖度は優る傾向がみられ、
    熟期も早まる特性が認められる(図4、表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 「JM7」台は高接ぎ病(ACLSV)には感受性であり、樹勢衰弱や枯死が
    考えられるので用いる穂品種は無毒化したものを用いる。
  2. 「JM7」台木を利用した苗木は自根苗を基本とし、
    増殖に当たっては補助根を用いず挿し木繁殖とする。
  3. 台木長は当面30~35cm(地下部10~15cm、地上部20cm)を標準とする。
    なお、穂品種や土壌条件によっては樹勢の強弱も予想されるのでさらに検討を要する。
  4. 栽植距離はM.26台利用と同様に、
    列間4~5m、樹間2~3m(10a当たり67~125本植え)を標準とするが
    地域の条件(土壌、穂品種等)によっても異なる事が考えられる。今後、
    機械化による省力化及び高品質生産が重要になることから広めの栽植距離とする。
  5. 定植に当たってはM.26と同様に倒伏防止のための支柱が必要である。
図表1 230966-1.gif
図表2 230966-2.gif
図表3 230966-3.gif
カテゴリ 機械化 栽培技術 挿し木 省力化 台木 高接ぎ 多収性 接ぎ木 低樹高 繁殖性改善 品種 りんご わい化

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