タイトル |
根域遮断法によるわい性台りんご樹の紫紋羽病の予防 |
担当機関 |
青森県畑作園芸試験場 |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
紫紋羽病の発生の恐れがある園地にわい性台りんご樹を新植または改植する際は、ポリエチレンフィルムによる汚染土壌からの根域の遮断及び樹列部分のクロルピクリンくん蒸剤による消毒(根域遮断法)で高い紫紋羽病予防効果がある。
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背景・ねらい |
わい性台りんご樹は根域が狭いことから、紫紋羽病が発生した場合は、 症状が急激に現れ、治療が手遅れになりやすい。 新植あるいは改植時に紫紋羽病の発生の恐れがある園地では 営利栽培ができない状況である。 予防としてクロルピクリンくん蒸剤の全面消毒を行っているが、 数年で発生が見られる。 そこで、汚染土壌からの根域の遮断と、遮断した樹列部分のみの クロルピクリンくん蒸剤消毒による紫紋羽病の予防効果を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 根域遮断法の処理方法は次のとおりである(図1)。
栽植距離は列間4m、樹間2mとし樹列部分を次の手順で処理する。
- 樹列幅2mの両側・両端にトレンチャーやバックホーで溝幅約15cm、深さ80cmの溝を掘る。
- その溝に厚さ0.1mm、幅135cmのポリエチレンフィルムを地上部には20cm程度残し、
溝底から樹列側に密着するように深さ80cmまで埋設する。
- 遮断した樹列相当部分にロータリーをかける。
- 「3.」の部分にクロルピクリンくん蒸剤を30cm四方あたり5ミリリットルを、
深さ30cmに処理する。 処理後、厚さ0.03mm以上、幅230cmのポリエチレンフィルムで覆う。
- 約3週間被覆した後、被覆資材を除去しガス抜きを行う
(この後、植え穴改良を行い植栽する)。
- 根域遮断法で予防すると、
栽植7年後でもわい性台りんご樹では紫紋羽病の発生は認められなかった (表1)。
- 根域遮断法ではクロルピクリンくん蒸剤単用よりも増収した
(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 遮断に用いる資材はポリエチレンフィルムである。
ビニール(酢ビ、塩ビ)は土中で分解したり、 クロルピクリンくん蒸剤にふれると溶解するので使用しない。 また、ポリオレフィン系の資材は土中で分解するので使用しない。
- 処理手順は厳守する。
- ロータリー等の作業中に遮断資材を破損させない。
- クロルピクリンくん蒸剤の使用に際しては使用上の注意を厳守する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
改植
りんご
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