セイヨウナシ新品種候補「山園P1号」

タイトル セイヨウナシ新品種候補「山園P1号」
担当機関 山形県立園芸試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 セイヨウナシ新品種候補「山園P1号」は、1984年に「バートレット」に「ラ・フランス」を交雑し育成した。収穫期が9月下旬の中生種であり、高糖度で、追熟後の可食期の判定が容易である。
背景・ねらい 現在のセイヨウナシの品種構成が、食べ頃のわかりにくい「ラ・フランス」
に大幅に偏重していることから、出荷期間の拡大、労力分散、
予冷施設の有効利用による経営規模の拡大、需要の拡大を図るには、
食味の優れた栽培しやすいセイヨウナシ品種の育成が必要とされる。
成果の内容・特徴
  1. 育成経過
    1984年に「バートレット」を種子親に、「ラ・フランス」を花粉親に用いて交雑を行い
    育成した。1991年に初結実し、その後の調査でも品質が安定して優れていたことから
    優良個体として選抜し、「山園P1号」として現在品種登録申請中である。
  2. 特性概要
    1. 生態(表1)
      開花盛期は5月上旬で、収穫期が9月下旬の中生種である。7~10日予冷後の追熟期間は
      14日程度で、可食期は10月中旬から10月下旬となる。
    2. 樹の特性(表1)
      枝は始め立つが、次第に開張し、短・中果枝の着生は良好で、豊産性と思われる。
      葉焼けはほとんどないが、ブラックエンドが発生する場合がある。
    3. 果実の特性(表2)
      大きさは450g程度、果形は短びん形で「シルバーベル」に似、
      果面にサビが発生しやすい。果皮色は収穫時は黄緑色で、
      可食期になると黄色に変化し、可食期が判りやすい。
      香りは中程度、果心部の石細胞は「ラ・フランス」よりやや多いものの、
      肉質はやや滑らかで果汁も多く、粉質化はしない。糖度は15~17%と極めて高く、
      酸度は0.20~0.25%程度と甘味が多く、食味は良好である。
    4. 交雑和合性(表3)
      「バートレット」「ゼネラル・レクラーク」「マルゲリット・マリーラ」
      「シルバーベル」とは和合性があり、「ル・レクチエ」「パス・クラサン」とは
      和合性が劣る。「ラ・フランス」とは不和合性である。
成果の活用面・留意点 追熟果実は押し傷ができやすいので、果実の取扱は丁寧におこなうこと。
着果過多になると樹勢が弱まるので、着果は4~5頂芽に1果を目安にする。
図表1 230978-1.gif
図表2 230978-2.gif
図表3 230978-3.gif
カテゴリ 経営管理 出荷調整 新品種 品種 良食味

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