タイトル |
ブドウ「紅伊豆」の長梢垣根仕立て |
担当機関 |
(旧岩手県園芸試験場) |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
ブドウ「紅伊豆」の仕立て法として、改良マンソンを変形した垣根を用い、主枝一文字、結果母枝を長梢とした樹形を構成することにより、10a当たり1.000~1.500kgの安定的収量が得られ、軽労化栽培が可能である。
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背景・ねらい |
「紅伊豆」は、長梢棚を用いた長梢剪定法がとられている。この栽培法は、 安定結実のために欠かせない樹勢の調節が可能であることから、 大粒種を中心とした全国のぶどう仕立て法の主要技術となっている。しかし、 整枝剪定に熟練を要し、また、頭上での作業が主体であるため、 より省力的で軽労化が可能な栽培法が求められていた。このため、 省力的・軽労的な仕立て法として、垣根仕立てによる結実の安定化を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 棚の構造は、改良マンソンを変形した垣根で、
雨よけトンネルの付設が可能な構造である。 作業の大半は胸高の位置で行うことができる (図1)。
- 本仕立て法により、3,000~3,300房/10a、1房重350~400g、収量1,000~1,500kg/10a
が得られる(表1、表2)。
- 植栽様式は、機械走行の観点から、列間は3mとする。株間は植え付け当初4m~5mとし、
樹冠の拡大に伴って間伐を行い、最終的には、3/4間伐の、14~20mとする。
- 樹体の構成(図2)
- 主枝は2本とし、最下段の幹線に誘引して、一文字に構成する。
- 結果母枝は、主枝から直接発生した新梢、または前年の結果母枝から発生した新梢の内
できるだけ主枝に近く、しかも登熟状態の良い枝を選び、毎年更新する。 剪定は長梢とし、主幹方向に返して二段目の張り線に、 主枝から片側20cm程度の間隔をとって誘引する。
- 当年発生した新梢は、三段目及び四段目の張り線に誘引する。
四段目の張り線から先は、下垂するに任せる。 平均新梢長は2.0m程度とし、それ以上伸長する物は摘心する。
- 最終的に残す新梢本数は、片側18~20cm間隔とし、10a当たり3,300本~3,700本とする。
主枝から発生した不定芽や、側枝基部から発生した新梢を中心に、 1~2割の新梢は空枝として着果させず、次年度以降の結果母枝候補枝として養成する。
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成果の活用面・留意点 |
- 樹齢が進につれ樹勢が強勢になるので、芽欠きの時期及び量を適切に判断する。
樹勢が著しく強いことが予想されるときは、犠牲枝を残しておき、 除々に剪除するなどして樹勢を落ち着ける。
- 根域制限の必要は無い。
- 肥沃な土壌では、樹勢に応じて施肥量を減肥する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
軽労化
施肥
ぶどう
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