タイトル |
桑種茎直播法に適応する品種の選定 |
担当機関 |
福島県蚕業試験場 |
研究期間 |
1995~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
桑種茎直播法に適応する品種を活着率から系統別に比較すると、ヤマグワ系統で勝れ、次いでカラヤマグワ系統およびロソウ系統の順となった。しかし品種別ではヤマグワ系統であっても、品種により活着の良否が異なっている。また、穂木の育成場所や穂木の収穫方法により活着率が左右される。
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背景・ねらい |
種茎直播法は簡易で安価な桑園造成方法であるが、 桑品種はヤマグワ系統に限定されている。そこで、新たな品種の適応拡大を図るため、 穂木の育成場所を暖地、温暖地、寒冷地で生育した古条を使用し 活着率について2年間検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 系統別に活着率を比較すると、ヤマグワ系は高く
カラヤマグワ系およびロソウ系が低い(表1)。
- ヤマグワ系統品種の中で「ゆきあさひ」「みつしげり」「しんけんもち」および
「ゆきまさり」は活着率が70%以上と安定していたが「ゆきしらず」は極めて劣った。
- カラヤマグワ系統品種では平成8年に
「はやてさかり」「みつみなみ」「しんいちのせ」 いずれも九州での育成で60%以上の活着率であった。 また活着率が50%以上を認めた品種では 関東の「ひのさかり」と東北の「あおばねずみ」で、 その他の品種は活着率が低く、「改良鼠返」などはほとんど活着が認められない。
- 育成場所と活着については穂木調整方法が場所により異なった関係で、
判然としないが、九州の穂木調整方法が前年と異なることで、 品種によっては活着率を4~9倍に向上させた。
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成果の活用面・留意点 |
- 種茎直播法に適する桑品種はヤマグワ系統では
「ゆきあさひ」「みつしげり」「しんけんもち」および「ゆきまさり」である。
- カラヤマグワ系統では
「はやてさかり」「みつみなみ」「しんいちのせ」「ひのさかり」 および「あおばねずみ」である。
- 穂木の育成方法は暖地で夏切無収穫、
温暖地と寒冷地は春切無収穫か春切で7月上旬に1m残し全伐し再発枝を無収穫にする。
- 穂木の調整方法は、穂木の切取りと貯蔵を播種の40日前で、
穂木の切断は種茎の大きさをヤマグワ系統品種3芽付4本、 カラヤマグワ系統品種3芽付2~3本にする。
- 播種時期は、平均気温が10度前後に達する時期に実施する。
- ポリエチレンフィルムの除去は、積算地温450度前後(約25日)を目安に行う。
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図表1 |
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カテゴリ |
桑
播種
品種
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