タイトル |
野菜用散布機を利用したトップスプレー法による桑園雑草防除 |
担当機関 |
福島県蚕業試験場 |
研究期間 |
1994~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
省力的雑草防除法として考案したトップスプレー法は、改良した野菜用散布機で桑園全面に上部より散布することが可能である。本トップスプレー法を大面積桑園の雑草防除における省力的機械化管理体系に組み入れられるための除草剤とその濃度、散布ノズル、動力源の性能等の条件を示した。
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背景・ねらい |
桑園の雑草防除は、手作業による除草剤散布作業や歩行型管理機械の耕耘作業等では、 十分な管理ができない状況にあり、 機械を使用し短時間に処理できる新たな雑草防除法の開発が 生産現場から求められている。 そこで省力的雑草防除法として考案したトップスプレー法を 改良した野菜用散布機を用い、除草剤の種類とその濃度、散布ノズル、動力源の性能 等について実証試験により検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 野菜用から改良した散布機の利用範囲は、桑園の条件が普通桑園から密植桑園まで、
春切桑園から夏切桑園まで雑草防除から病害虫防除まで広範囲に使用可能 (図1)である。
- 本機の操作は乗用で一人作業ができ、その性能は10a当たり10~20分
(表1)と従来型の歩行型動力散布機に比較して15~20倍以上の能率である。
- 雑草防除効果は除草剤とその濃度、散布ノズル、散布量、動力源の性能を
適切に選定することにより効果を発揮する。
- 収穫直後に使用する茎葉処理剤は発芽生育に影響の少ない
ジクワット・パラコート液剤を使用する (表2)。
- 本県の農作物病害虫防除基準に採用となったトップスプレー用除草剤名と
使用量を示した(表3)。
- 本法により、桑園機械化体系の中で未解決であった雑草防除作業技術の確立が図れる。
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成果の活用面・留意点 |
- 改良した散布機の走行方法は普通桑園では畦間走行を行い、
密植桑園では畦間を跨いで走行する。なお、密植桑園では仕立法を埋没から低根刈に、 収穫法は二年三回収穫またはローラー収穫法に調整しておく必要がある。
- ノズルは、除草剤散布には霧状茶用三頭口と霧状茶用四頭口および水滴状横三頭口
(殺虫剤散布には霧状縦二頭口、殺菌剤散布には霧状縦三頭口)を選定する。
- 散布は桑の芽の脱苞前に行う。
- 茎葉処理剤の散布は、収穫直後の雑草が桑に覆われ軟弱に生長していることから、
使用量を基準の中間から最小量に設定する。
- 散布ノズルからの吐出水量は、
動力源であるトラクタの変速ギアとエンジン回転および使用ノズルにより異なるので、 事前に検討しておく。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
機械化
機械化体系
桑
雑草
除草剤
茶
病害虫防除
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