蚕室・蚕具類の無人消毒に対応した簡易な消毒効果判定法

タイトル 蚕室・蚕具類の無人消毒に対応した簡易な消毒効果判定法
担当機関 岩手県農業研究センター
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 超微粒子噴霧機を用いた蚕室・蚕具類の無人消毒において、消毒の効果は吸光光度法によるホルムアルデヒドガス濃度の測定値と関係が高かった。そこで呈色液の色調と濃度値を表示したカラープリントの標準比色板の使用により、簡易で迅速な効果判定法を確立した。
背景・ねらい 近年、多回飼育に対応した簡易で楽な蚕室・蚕具類の無人消毒法が
急速に普及しつつある。これに伴い、
簡易で迅速な蚕室の消毒効果判定法の確立が必要となっている。
そこで、病原の培養法や生物検定法によらない判定法を確立するため、
超微粒子噴霧機を用いた無人消毒法において、
蚕室消毒後のホルムアルデヒドガス濃度と消毒効果の関係について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 4-アミノ-3-ヒドラジノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール(AHMT)溶液を
    発色剤とした吸光光度法によるホルムアルデヒドガス濃度の測定値は、
    こうじかび病菌を検定病原とした培養法による発育や、
    超微粒子噴霧機の噴霧特性と高い関係があった。
  2. そこで、消毒効果判定の作業手順を以下のように設定した。
    1. 消毒効果を判定したい施設内の箇所に、
      蒸留水10mlを入れた写真用フィルムケースの蓋を開けて設置し、
      消毒24時間後に蓋を閉めて回収する。そして、その500倍液を試料液とする。
    2. 10ml共栓試験管に試料液を2mlを取り、
      調製したAHMT溶液2mlと水酸化カリウム溶液(5N)2mlを加えて軽く振り混ぜ、
      室温で20分間放置する。
    3. 調製した過よう素酸カリウム溶液を2mlを加え、気泡が発生しなくなるまで振とうし、
      室温で放置する。20分後、この呈色液を標準比色板で効果判定する。
  3. 効果の判定には呈色液の色調の変化と
    ホルムアルデヒドガス濃度値を0.1ppm(原液換算50ppm、うすい赤紫)、
    0.4ppm(同200ppm、赤紫)、1.0ppm(同500ppm、濃い赤紫)
    の3段階に表示した標準比色板を作成する。この標準比色板を用い、
    200ppm以上(赤紫より濃)を示せば消毒効果ありと判定される
    (測定例、図1)。
成果の活用面・留意点
  1. AHMT溶液は、0.5gを塩酸(N/2)100mlに溶かして調製する。
    また、過よう素酸カリウム溶液は、0.75gに水酸化カリウム溶液を(N/5)100mlを加え、
    水浴上で加熱して溶かし調製する。(調整法及び吸光光度法は、
    環境庁大気保全局の「大気汚染物質測定法指針」に準ずる。)
  2. 発色の反応が安定するまでに一定の時間を要するので、
    過よう素酸カリウムを加えてから20分経過後に比色判定する。
  3. 試料液と試薬の調製は正確に行い、また、分解を防ぐために冷暗所に保存する。
  4. 標準比色板は色調の経年変化が予想されるので、
    定期的に標準液を発色させて点検することが必要である。
図表1 231036-1.gif
カテゴリ カラー 生物検定法

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