タイトル |
秋田農試改良型播種機を用いた乾田土中条播早期湛水直播の栽培マニュアル |
担当機関 |
秋田県農業試験場 |
研究期間 |
1994~1998 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1997 |
要約 |
代かきをしないことから、湛水直播より省力的で田畑輪換に適した乾田土中条播湛水直播(折衷直播)栽培について、その導入・普及に役立つ栽培マニュアルを作成した。
|
背景・ねらい |
乾田土中条播早期湛水直播(以下折衷直播という)栽培の技術体系に 具体的な生育目標を示して、その導入及び普及促進を図る。
|
成果の内容・特徴 |
折衷直播栽培の栽培法
- 適品種
あきたこまち、でわひかり
- 土壌条件
折衷直播は代かき作業を省略していることから、灰色低地土、グライ土、 強グライ土が適する。
- 作業体系
折衷直播の播種期は気温の他に地域の水利条件等を考慮して決定するが、 用水が地域に到達する4~5日前の好天が予想される時期に播種する (表-1)。 耕起前に畑雑草の防除を行うとともに、圃場の均平に努める。 播種はトラクタ搭載式の秋田農試改良型播種機を用いて行い、 1~2cmの深さに播種する。種子はあらかじめ吸水させておくが、 原則としてカルパーコーティングは必要ない。 湛水は播種直後または圃場に代かき水が来たときから行い、 出芽揃いまでは浅水管理とする。出芽後の管理は移植栽培とほぼ同じであるが、 9葉期頃の中干しは移植栽培よりもやや強めに行い土壌を固めて転び倒伏を防止する (図-1)。
- 施肥体系
肥料は播種と同時に同じ溝に施用することから被覆尿素(LP-70日タイプ)を使用し、 基肥+減数分裂期追肥を基本とする。基肥窒素量は品質と土壌タイプにより異なるが、 でわひかりでは8~10kg/10a、あきたこまちでは6~8kg/10aとする。 追肥は減数分裂期に窒素2kg/10aを施用する。 苗立数が60本/平方メートル以下となった場合は、2~4葉期に追肥し茎数を確保する。
- 雑草防除体系
畑雑草が多い圃場では、耕起前に非選択性茎葉処理除草剤で除草し、 湛水後は減水深が落ち着いてからサンバード粒剤+プッシュ粒剤の体系処理、 又はサンウェル、キックバイ粒剤等の初期一発剤を散布する。 雑草の後次発生や雑草が多い場合には ノビエが5葉になる前にクリンチャーパス液剤等で除草する。 表-2 折衷直播における生育・収量構成要素の目標値
|
成果の活用面・留意点 |
- 導入に当たっては平成9年度東北農業研究成果情報
「乾田土中条播早期湛水直播の栽培適地マップ」、 平成7年度東北農業研究成果情報 「水稲直播栽培における接触施肥播種機への改良」を参照する。
- 鳥害に対しては現在のところ有効な手段が無いため、複数の対策を組み合わせるか
圃場の団地化により被害の軽減に努める。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
カテゴリ |
肥料
病害虫
くり
雑草
直播栽培
除草
除草剤
水稲
施肥
鳥害
播種
品種
防除
水管理
|