タイトル |
直播栽培における窒素肥料の全量秋期施肥法 |
担当機関 |
山形県立農業試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1997 |
要約 |
水稲の早期播種による湛水直播栽培において、冬期間に窒素の溶出がほとんどないシグモイドタイプの肥効調節型肥料(被覆尿素)を秋期に一回施用することによって、速効性肥料を用いた慣行並の収量が得られる。
|
背景・ねらい |
早期播種による直播栽培において、秋施肥による全量基肥が可能であれば、 春先の作業軽減、省力施肥につながる。 そこで肥効調節型肥料を秋に施肥した場合の肥効の特徴と、 生育、収量等への影響を調査した。
|
成果の内容・特徴 |
- 冬期間(平成8年12月~9年2月)の水田の日平均地温(地表下5cm)の平均は1.7度C、
また厳冬期の積雪下の地温は0~1度Cであり、3月上旬以降上昇する。 (図1) - 12月4日に圃場埋設したシグモイドタイプの肥効調節型肥料(被覆尿素100日タイプ)
からの窒素の溶出は5月上旬まではほとんどない。 一方、リニアタイプの肥効調節型肥料では冬期間にわずかに溶出し 4月1日で約20%溶出する。その後、 前者では7月上旬までに、また後者では7月末までにそれぞれ約80%溶出する。 (図2) - 肥効調節型肥料を全量秋期施用した場合の6月の茎数は対照(慣行)に比較して多く、
7月上中旬の葉色が濃くなる。成熟期の稈長、穂長、穂数は全量秋施肥区が多く (長く)なるが、籾数は対照よりやや少ない。 全量秋施肥区の収量は5.82、58.6kg/aであり、対照(慣行)対比97%の収量性を示す。 (表1、2、3、4)
|
成果の活用面・留意点 |
- 必要な苗立ち数を確保する。
- 全量秋施肥を行う際の肥料の種類、組合せは、地域、想定する作期により異なる。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
カテゴリ |
肥料
直播栽培
水田
水稲
施肥
播種
|