改良型噴頭回転式広幅散布機

タイトル 改良型噴頭回転式広幅散布機
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 ハイクリアランス台車前部に噴頭と噴頭揺動部、後部にホッパー、繰り返し部、エンジン付送風機を装着した噴頭回転式広幅散布機を播種作業、追肥作業、除草剤散布作業に使用すると大区画水田の省力的な水稲湛水散播直播作業が可能となる。
背景・ねらい 水稲の低コスト生産が求められる中で、
大区画水田における省力的な水稲湛水直播のための機械化作業技術として、
高能率な播種作業が可能な噴頭回転式広幅散布機を改良し、
その性能向上と汎用利用を実現し、省力機械化作業体系を確立した。
成果の内容・特徴
  1. 噴頭回転式広幅散布機の改良
    散布機はタンクの種籾等を吐出量調節装置で定量吐出し、
    送風機の高速気流で30~40m/sに加速した後、
    左右に揺動する噴頭から仰角40度程度で放出し、
    代かきした湛水状態の圃場に播種する(図1)。
    噴頭の駆動は、DCモータダイレクトドライブとして揺動反転時のもたつきがない。
    DCモータ駆動のロータリーバルブにより、
    送風機の正圧による吹返しを防止して資材の調量が正確に行える。
  2. 台車と機体配置
    ハイクリアランス管理機を台車とし、最低地上高650mmを確保し、
    水稲生育期間の追肥などの管理作業へ利用できる
    (表1)。台車前方に噴頭とターンテーブル、
    後方に送風機、吐出量調節装置、タンクを設置する前後分離方式で、
    オペレータによる散布位置の確認を容易にし、
    車体の前後バランス改善による操縦性を改善した
    (図1)。
  3. 操作性
    噴頭の散布方向と範囲、噴頭揺動開始、繰り出し量の調整、
    繰り出し開始等のスイッチ類をオペレータ手許の操作盤に一括し、
    作業時の各部設定が容易である。
  4. 播種作業性能
    散布幅は最大50m、作業速度は最大0.75m/sである。圃場での散布密度は、
    散布幅内の変動係数30~40%を示す(図2)。
    作業能率は圃場短辺に合わせた散布幅の設定により変化し15~30分/haである。
  5. 汎用利用
    噴頭回転式広幅散布機は粒状資材であれば
    除草剤(微粒材)から化成肥料種籾(コーティング籾を含む)まで散布可能である。
    また、多口ホース噴頭を使用すると畦畔からの薬剤散布作業も可能である。
  6. 機械化作業体系
    広幅散布機を播種、除草剤散布、追肥、薬剤散布等の作業に使用した
    水稲湛水散播栽培の機械化作業体系は、圃場内作業時間で約40時間/haである。
成果の活用面・留意点
  1. 除草剤など微粒剤は散布幅が約1/2と狭くなるので行程数を増やす必要がある。
  2. 風速8m/s程度までは散布方向を風上へ向ける、噴頭仰角を低くするなどで
    散布可能であるが、実際に散布幅等を確認して作業する必要がある。
  3. 適用地域は、1ha程度の大区画水田で団地化されており、
    田植機などの走行が可能な十分な地耐力を持つ地域である。
図表1 231089-1.gif
図表2 231089-2.gif
図表3 231089-3.gif
カテゴリ 肥料 病害虫 機械化 除草剤 水田 水稲 低コスト 播種 薬剤

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