タイトル |
発芽子葉を利用したナタネの種子グルコシノレート含量の簡易評価法 |
担当機関 |
東北農業試験場 |
研究期間 |
1994~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
播種後2~3日目の発芽子葉に含まれるグルコシノレートを加水分解し、遊離したグルコースをムタロターゼ・グルコースオキシダーゼ法を用いて測定することにより、グルコシノレート含量を簡易評価することが可能である。
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背景・ねらい |
これまで、低グルコシノレート個体の選抜は、F2植物上のF3種子をまとめて集団として検定していた。しかし、この方法では多数の種子が必要なため、F3世代以降でしかグルコシノレート含量を評価することができなかった。また、低グルコシノレート個体の出現頻度が非常に低いため、多数のF2個体を選抜する必要があった。このため、低グルコシノレート個体の早期選抜を可能とする、グルコシノレート簡易評価法を開発しようとした。
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成果の内容・特徴 |
- 20度のインキュベータ内において、播種後2~3日経過し、発芽した個体の半子葉を摘出して、種子グルコシノレート含量の評価に利用する。
- 図1の操作により、摘出半子葉に含まれるグルコシノレートを内性の酵素ミロシナーゼによって加水分解し、遊離したグルコースをムタロターゼ・グルコースオキシターゼ法による医療用グルコース測定試薬を用いて発色させる。
- 本検定法による低グルコシノレート個体の検出精度は高く、グルコシノレート含量が低・中・高の品種は種子1粒レベルで明確に区分される。また、吸光度が0.1以下の個体を選抜することで、容易に低グルコシノレート個体を選抜することができる(図2)。
- 子葉に含まれるグルコシノレート含量は、その多少や日長条件に関わらず播種後3日目までは変動が小さい(図3-a、b)。
- 肉眼による発色程度の判定でも、低グルコシノレート個体の選抜は可能である。
- 分光光度計を用いた測定では1日に150点、肉眼による判定では約400点の評価が可能である。
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成果の活用面・留意点 |
- 低グルコシノレート品種育成のための初期選抜に利用できる。
- 本簡易評価は播種後3日までに行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
なたね
播種
評価法
品種
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