リンゴ「ふじ」高品質生産のための電池式授粉機による低コスト・省力効果

タイトル リンゴ「ふじ」高品質生産のための電池式授粉機による低コスト・省力効果
担当機関 秋田県果樹試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1997
要約 羽毛回転型電池式授紛機(ラブタッチ)による機械授紛は人工授紛よりも2倍の花粉が必要となるが、人工受粉とほぼ同等の高い結実率、高品質果実が得られ、作業時間が少なく低コスト省力となった。
背景・ねらい 最近、リンゴの品種構成が「ふじ」に偏重してきており、
さらに「ふじ」の枝変わりである
「みしまふじ」や「やたか」などが増加し単植傾向にある。
このため結実の不安定や果実形状が悪いといった様々な問題がでてきている。
また、石灰硫黄合剤による摘花や摘果剤の安全利用のための結実確保が重要である。
しかし、人手による人工授紛は労働力が多くかかるため、
より省力的で効果の高い授紛技術について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 柱頭への花粉付着量は人工授粉と比較して、羽毛回転型電池式授紛機
    (ミツワ製、型式SK-2、商品名ラブタッチ、以下ラブタッチとする)が48%、
    背負式動散(ハツタ製、型式JH-35)では14%である。
    また、中心果結実率は人工授紛の95%に対してラブタッチが73%で効果が高く、
    背負式動散では45%とその効果が劣る(表1)。
  2. 収穫果の果重分布は人口授紛、ラブタッチでは300以上の果実が65%であるのに対して
    背負式動散、無処理では50%程度である(図1)。
  3. 果実の形状は人工授紛で約85%が商品性のある果実であるが、ラブタッチでは75%、
    背負式動散では60%と低い(図2)。
  4. 10a当たりの花粉の使用量は173.3gに対してラブタッチが約2.1倍、
    背負式動散では5.6倍である。
    また、10a当たりの作業時間は人工授紛が17.5時間かかるのに対して、
    ラブタッチが77%、背負式動散が91%の大幅な省力となる
    (表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 高品質果実の生産を図るための授紛を効率的に行うとともに、
    摘花、摘果剤を安全に使用する上での結実確保に利用できる。
  2. ラブタッチは軽量で作業性が良いが、
    背負式動散は重量が重く、作業中のエンジン音や振動などで疲労が大きい。
    また、ラブタッチの作業領域は手の届く範囲からプラス65cmの高さまでである。
  3. ラブタッチは雨の日や花弁が濡れている場合には使用できない。
  4. 授紛には良質な花粉を使用し、適期に作業を行うことが重要である。
図表1 231121-1.gif
図表2 231121-2.gif
図表3 231121-3.gif
カテゴリ 受粉 低コスト 品種 りんご

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