タイトル |
裂果しにくいオウトウ新品種候補「Jのしずく」 |
担当機関 |
青森県畑作園芸試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
「Jのしずく」は、「ナポレオン」に「マートン・グローリー」を交配して育成された系統である。「佐藤錦」の後に収穫される中生品種であり、収穫期の降雨による裂果が少ないため、雨よけ施設が不要である。果汁が多く、適度の酸味があり食味は良好である。
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背景・ねらい |
オウトウは、収穫期の降雨により裂果が多発し、商品価値が著しく低下する。 このため、オウトウの栽培においては、 裂果防止のための雨よけ施設が必要となっており、 収穫期の降雨による裂果が少なく、雨よけ施設がなくても十分栽培が可能で、 食味が良好な新品種が求められている。
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成果の内容・特徴 |
- 育成経過
1973年に青森県畑作園芸試験場で「ナポレオン」に「マートン・グローリー」 を交配して育成した系統であり、 これまで「おうとう青森1号」として特性調査を行ってきた。 1997年に「Jのしずく」として品種登録申請を行った。
- 特性
- 樹姿は開張性、樹の大きさ、枝梢の太さは中程度であり、枝の発生も多い。
樹勢及び節間長は「佐藤錦」と同程度である。 葉の大きさは中位、形は短楕円で、蜜腺の形は腎である。 花芽の着生は良好で、豊産性である。
- 開花始めは5月上旬(育成地:青森県三戸郡五戸町)であり、
開花期は「佐藤錦」とほぼ同時期である。
- 果形は短心臓形、大きさは約7gで「佐藤錦」より大きい。
果皮色は濃赤で、着色は良好である。果肉は乳白色で、肉質は柔らかい。 果汁が多く屈折計示度は平均14.8%、リンゴ酸含量は平均0.58%である。 食味や甘酸適和で良好であり、「佐藤錦」に比べやや酸味が多い。 収穫期は「佐藤錦」よりやや遅く、6月下旬から7月上旬頃であり、 満開日から収穫始めまでの日数は51~55日程度である。 (表1)
- 収穫期の降雨による裂果は「佐藤錦」や「北光」よりも少なく、耐裂果性に優れる。
(表2)
- 室温で放置した場合の日持ち性は「佐藤錦」よりも短い。
(表3)
- 「佐藤錦」及び「南陽」で結実率が低く、
「ナポレオン」、「香夏錦」、「北光」、「サミット」で結実率が高い。 また、自家和合性は低い。(表4)
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成果の活用面・留意点 |
- 裂果が少ないため、雨よけ施設は不要である。
- 主に観光オウトウ園等での即売用とするのが望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
おうとう
新品種
品種
良食味
りんご
裂果防止
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