岩手県における大粒種ブドウ「ハニーブラック」の特性

タイトル 岩手県における大粒種ブドウ「ハニーブラック」の特性
担当機関 岩手県農業研究センター
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 ブドウ「ハニーブラック」は肉質が良く、糖度も約20%と高く、食味良好で日持ち性が優れている。収穫時期は9月中~下旬で、岩手県で栽培可能な紫黒色大粒品種である。
背景・ねらい 岩手県のブドウは約60%を「キャンベルアーりー」が占めており、
冬期の低温や温量不足などの気象条件で制限されるため
消費者に好まれる大粒種の栽培は少なく、
岩手県で栽培可能な大粒種は、現在「紅伊豆」しかない。
そこで、「ハニーブラック」の地域適性を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 発芽期、開花期及び収穫期は「紅伊豆」とほぼ同時期で、
    収穫期は9月中~下旬である(表1)。
  2. 果房の大きさは250~350g、果粒は短楕円形で10g程度と「紅伊豆」よりやや小さい
    (表2、表4)。
  3. 果皮色は紫黒色で、果皮と果肉の分離は中、肉質は中間、香気はフォクシーで
    「巨峰」と類似する点が多い。
  4. 糖度は20%程度、酸は0.56%程度で、「紅伊豆」と比べて
    糖度は2%程度高く、酸は同程度であり、食味は非常に良好である
    (表2、表4)。
  5. 花振るい性は「紅伊豆」に比べやや多い(表2)。
  6. 果実の日持ち性は「紅伊豆」より良く、脱粒性が少ないため輸送性が優れ、
    京浜市場等への出荷も可能である(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 仕立て法は、平棚長梢仕立てとし、房作り(1果房30~35粒)
    等の入念な手入れが必要であり、基本的な栽培方法は「紅伊豆」に準じて行う。
  2. 過着果は品質低下の原因となるばかりでなく、耐寒性、翌年の収量、
    品質等にも影響する。生産目標10aあたり収量1.0~1.2tを目標とする。
  3. 花振るい性がやや強いので、強樹勢にしないなどの栽培管理を行う。
    なお、花振るいは、雨よけ栽培をすることで、発生を軽減できる。
  4. 凍寒害防止のため、春植えとするとともに、植栽にあたっては暗渠など
    排水対策を行う。また、冬期間主幹に稲わらを巻くなど防寒対策を実施する。
図表1 231131-1.gif
図表2 231131-2.gif
カテゴリ 栽培技術 出荷調整 耐寒性 品種 ぶどう 輸送 良食味

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