タイトル |
半つる性サヤインゲンの開花、結実に適する温度条件 |
担当機関 |
福島県農業試験場 |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
高温条件下での半つる性サヤインゲンの結実不良や生育不良さや発生の要因は、葯の形成が不良になるとともに花粉機能の低下に由来する。
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背景・ねらい |
半つる性サヤインゲンはハウス栽培(無加温半促成、無加温抑制) や露地栽培(4月下旬は種)での適応性が確認されているが、 収穫時期の最高気温が概ね25度C以上となると規格外さやが急激に増加する。 生態面からこれらの要因を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 試験は半つる性品種の「ケンタッキーブルー」を用いた。
これをワグネルポットに移植し、開花始から10日間について昼温を22度C、 25度C、28度Cの3段階、夜温はいずれも18度Cに設定した人工気象室内で栽培した。 これらの株から花粉を採取し寒天培地上での花粉管の伸長を調査した。 また、その後、これらの株を通常のガラス室(昼温25度C以下)へ移し、 温度処理期間中に開花したさやの結実状況を調査した。 なお、温度処理期間中は1997年6月2日から6月12日、 結実調査は6月17日から6月26日に実施した。
- 1さやあたりの胚珠数は、昼温による違いが見られない。
一方、1さやあたりの種子数は昼温が高くなるに従い、少なくなる。 胚珠数に違いが見られなかったことから 半つる性サヤインゲンの結実抑制の主要因は雄ずいに由来すると考えられる。 (表1) - 葯あたりの花粉数は、昼温が高くなるに従い著しく減少する。
(表2) - 置床直後の時点で発芽花粉の割合が最も高いのは昼温28度C区である。
しかし置床2日後においても昼温28度C区の発芽花粉の割合には変化が見られず、 花粉管が伸長する花粉もわずかである。 一方、昼温25度C、22度C区では、置床直後の割合は少ないものの、 置床2日後の時点では比較的、高い割合で発芽および花粉管の伸長が認められる。 (表2) - これらのことから、半つる性サヤインゲンは、
高温条件になると葯の形成が不良になるとともに花粉の機能が低下し、 結実不良や生育不良さやを誘発する。
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成果の活用面・留意点 |
- 施設栽培では開花期以降の温度管理の指標となる。
- 生産適地選定上の参考となる。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
温度管理
温度処理
さやいんげん
施設栽培
品種
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