葉ダイコン散播によるアブラナ科野菜根こぶ病菌の休眠胞子密度低減効果

タイトル 葉ダイコン散播によるアブラナ科野菜根こぶ病菌の休眠胞子密度低減効果
担当機関 東北農業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 葉ダイコンCR-1を散播し、鋤込むことにより、土壌中のアブラナ科野菜根こぶ病菌休眠胞子密度を無作付の5~30%に減少させることができる。これは葉ダイコンによる根こぶ病菌の根毛感染の誘引が一因である。
背景・ねらい アブラナ科野菜根こぶ病の防除法として、輪作作物の有効性が知られ、
ダイコンに関しては青首ダイコン株跡において根こぶ病菌密度(以下、菌密度)
が低減すること、葉ダイコンを前作とすると発病が抑制されるなどの報告がある。
このうち、葉ダイコンを用いる方式は、
一定期間栽培した後に鋤込むだけで効果があり省力的である。
しかし、その発病抑制機構は明らかではない。
そこで、葉ダイコンの作付けによる土壌中の根こぶ病菌密度の低減率と
有効範囲及びその低下要因を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 葉ダイコン(CR-1)を10a当たり6~18L散播する。
    1~2ヶ月栽培後に鋤込み、1ヶ月以上経過後にハクサイを栽培する。
  2. 葉ダイコン栽培後の圃場全体の土壌菌密度は無作付区に比べ約5~30%に減少する
    (表1、図1A)。
    後作のハクサイの発病度は、104個/g接種区で顕著に低下するものの、
    106個/g接種区では大きく低下せず、
    菌密度が高い場合には葉ダイコンの作付1回では発病軽減効果は不十分である
    (図1B)。
  3. 根こぶ病菌汚染土壌(約107個/g)に葉ダイコンを作付けすると、
    休眠胞子から発芽した遊走子による根毛感染が認められるが、
    根こぶは形成されない(図2)。
  4. 根こぶ病菌は土壌中では遊走子の状態あるいは根毛感染しても
    根こぶ病抵抗性葉ダイコンの作付による根毛感染の誘引は
    根こぶ病菌密度の低減要因の一つであり、
    葉ダイコンは土壌中の菌密度を減少させる「おとり植物」である。
成果の活用面・留意点
  1. 普通(腐植質)黒ボク土で得られた効果であり、他の土壌では別に検討が必要である。
  2. 根こぶ病の菌密度が高い場合には、
    葉ダイコンの栽培だけでは発病抑制効果がみられない場合があるので、
    他の防除手段(農薬、pH矯正など)と併用する。
図表1 231168-1.gif
図表2 231168-2.gif
図表3 231168-3.gif
カテゴリ 病害虫 あぶらな だいこん 抵抗性 農薬 はくさい 防除 輪作

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