タイトル |
絹シート製造技術 |
担当機関 |
山形県蚕糸総合研究センター |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
繭から繭糸を繰り出してドラムに巻き取る際に、繭糸を左右に振って積層させる絹シート製造機の開発により、繭糸をシート化することができる。この技術によって製造した絹シートは、インテリア製品(ついたて、ふすま、照明具等)の素材として活かされる。
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背景・ねらい |
従来、農家で生産された繭の多くは製糸原料として出荷されてきた。 しかし、低迷する生糸価格の影響を受けて、 近年の繭価は養蚕労働の対価としてはほど遠い現状にある。 そこで、農家自らによる繭の加工で付加価格向上を達成しようとするものである。
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成果の内容・特徴 |
- 絹シート製造機は、ドラム回転速度、繭糸の振幅と速度(絡交)が可変であり、
繭補給時に繭糸をつなぐ装置(回転接緒器)を具備し、 繭糸の連続巻き取り作業が可能である(図1)。
- 使用する繭は、上繭の他屑繭でもよく、乾繭で100~300gを要する。
- 絹シートの寸法は、最大で90×200cmである。
- 絹シートの形態保持のため、繭糸の巻き取り後接着剤等(バインダー)を塗布する
(図2)。
- 絹シートの基本意匠は、大振り絡交と小振り絡交の緒数、
振幅の組み合わせで表現される。染色煮繭した繭を用いれば、カラーシートとなる。 また、シート表面には、熱転写やインクジェットプリンターによる描画も可能である。
- 絹シートを用いた衝立、ふすま、照明具等のインテリア製品を試作し、
求評会、シルクフェア等で展示した結果、好評であった。
- 標準的な絹シート1枚当たりの生産費は、6,630円であった
(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 「斜交糸積層構造絹布およびその製造方法」として特許申請中。
- 絹シート製造機操作の習熟には、1日程度の研修を要する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
カイコ
加工
カラー
出荷調整
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