寒冷地密植桑園における桑の新品種の生育特性

タイトル 寒冷地密植桑園における桑の新品種の生育特性
担当機関 岩手県農業研究センター
研究期間 1994~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 これまでに農林登録された桑品種のうち、岩手県での栽培に適当と思われる5品種(みつしげり、はちのせ、ゆきしのぎ、ゆきまさり、ゆきあさひ)について、少雪寒冷地と積雪地における密植桑園での生育特性を示す。
背景・ねらい これまでに農林登録されている桑品種のうち、
少雪寒冷地向もしくは積雪地向に育成され、
岩手県での栽培に適すると思われる品種を同一条件下で密植栽培し、
品種ごとの栽培特性を明らかにして密植桑園造成時の品種選定の資料とする。
成果の内容・特徴
  1. 寒冷小雪地として北上市成田、
    積雪地(最深積雪50cm以上)として金ヶ崎町六原を試験地とした、
    寒冷少雪地と積雪地での生育特性を明らかにする。
  2. 試験圃場の造成は平成6年、栽植距離1.2×0.4m(2,083株/10a)の苗木密植とし、
    植付2年目から年2回収穫(夏切は春蚕期及び晩秋蚕期、春切は夏蚕期及び晩々秋蚕期)
    調査により以下の生育特性が見られる。
  3. 「みつしげり」は北上、金ヶ崎ともに良好な生育を示し収量も高い
    (表1、2)が、
    枝条が伸びると曲がりやすい傾向がみられる。
  4. 「はちのせ」は北上、金ヶ崎ともに枝条の伸長が劣り収量も上がらない
    (表1、2)が、葉の硬化が遅い。
  5. 「ゆきしのぎ」は北上、金ヶ崎ともに枝条数が多い傾向があり、
    春蚕期、夏蚕期の収量は高いが、再発枝の伸長が劣り、夏切の晩秋蚕期で収量が低い
    (表1、2)。
  6. 「ゆきまさり」は北上、金ヶ崎ともに良好な枝条伸長、収量を示すが、
    夏切の晩秋蚕期の収量が低い傾向がみられる
    (表1、2)。
  7. 「ゆきあさひ」は北上では枝条伸長、収量ともに良好であるが、
    上記品種と比較して葉が小型であり葉量ないし新梢量割合が低く
    (表1)、
    金ヶ崎では特に粉の傾向が強く収量は劣った
    (表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 金ヶ崎での試験結果は胴枯病防除を行った上でのものであり、
    「みつしげり」、「はちのせ」の積雪地への植栽は避ける。
  2. 「はちのせ」は葉の硬化が遅いので、
    晩秋蚕期以降の蚕期を重点に対応した収穫方法にすると利用価値が高まる。
図表1 231187-1.gif
カテゴリ 病害虫 新品種 品種 防除

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