タイトル |
黒毛和種×日本短角種F1子牛にタイレリア病抵抗性 |
担当機関 |
東北農業試験場 |
研究期間 |
1994~1997 |
研究担当者 |
|
発行年度 |
1997 |
要約 |
黒毛和種×日本短角種F1子牛のタイレリア病抵抗性はF1子牛の方が日本短角種子牛よりも高い傾向にあった。また、F1子牛の哺乳期の発育は日本短角種子牛と同等であった。
|
背景・ねらい |
東北地方特産の肉用牛である日本短角種(以下「短角種」)は、 その大部分が放牧飼養されるが、放牧地特有疾病のタイレリア病 (小型ピロプラズマ病)による子牛の死亡や発育停滞が問題になっている。 そこで、タイレリア病抵抗性が高いといわれる黒毛和種を日本短角種と交配して F1子牛を生産し、 タイレリア病抵抗性および哺乳期の発育を比較検討した。
|
成果の内容・特徴 |
- 2~3ヶ月齢の黒毛和種×日本短角種F1子牛および対照の短角種子牛に、
タイレリア原虫感染赤血球を体重1kgあたり107~108の割合で接種した。接種後12週間までの末梢血におけるタイレリア原虫増殖および ヘマトクリット値の低下の程度を調べた。 F1子牛は短角種子牛と比較して末梢血中の原虫寄生率が低く、 またヘマトクリット値の低下も小さく推移した (図1および2)。
- タイレリア病抵抗性への関与が示唆されるインターフェロン-γ(IFN-γ)
および腫瘍壊死因子-α(TNF-α)のmRNAについて、 原虫接種後の末梢血単核球内での発現を比較した。 F1子牛は短角種子牛よりも両物質のmRNAの発現が大きい傾向にあった (図3および4)。
- 出生時体重および120日齢時体重については
F1と短角種との間に有意差は認められなかった (表1)。
|
成果の活用面・留意点 |
- 交配種生産に際しては、他品種と比べ発情兆候が不明瞭な短角種で
人工授精によりいかに高い受胎率で産子を得るかが重要な問題である。
- 黒毛和種×日本短角種F1子牛は
下痢やコクシジウム症が短角種子牛よりも高い頻度で見られ、 衛生管理面の対策が必要である。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
カテゴリ |
くり
抵抗性
肉牛
品種
|